マグロ初競りで高額だった年の「株価のジンクス」 マグロの初競りが持つもうひとつの意味

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豊洲市場の「初競り」で1億1424万円で競り落とされた青森県大間産クロマグロ(写真:共同)

能登半島地震、羽田空港での航空機事故など2024年は厳しい出来事が相次ぐ年明けとなりました。被災された皆さまと、その関係者には心からお見舞い申し上げます。こうした世情を受けてか1月4日の新年初めての株式取引日の日経平均株価は下落して、175円安となりました。

新年、初めての株式取引日のことは大発会(だいはっかい)と呼ばれます。大発会には取引所でイベントが行われます。今年は自粛ムードもありましたが、名古屋証券取引所では、晴れ着に身を包んだ証券会社の社員などおよそ140人が参加して華やかな式典が行われたと話題になりました。

大発会に下落した年のほうが株高

例年、お祝いムードのなかで新年の明るい相場への期待から大発会はご祝儀相場(ごしゅうぎそうば)で株高になりがちと見られてきました。ただ、大発会が株安だったことから「今年の相場は、波乱かも」と思ってしまう投資家も少なくなかったでしょう。

しかし実際のデータで確認するとまったく逆の結果となっていました。1970年から昨年までの54年間の大発会を確認してみました。日経平均株価が下落した年は全部で21回ありましたが、そのうち16年が上昇しました。大発会が株安の年の株価は76%(=16年÷21年)の確率で上昇した結果です。これは大発会が株高だった年には57%の確率で上昇したということと比較しても、大発会に下落した年のほうが株高という“意外な”傾向になりました。

実は、初めての株式取引より、1年間の株式相場の変動と関係が深い、「『意外な』新年の初めての取引」があります。今回、紹介するのはマグロの初競り(はつせり)と株価の関係です。

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