日立をV字回復させた「ラストマン」魂の言葉 川村隆・日立製作所相談役に聞く(前編)
「ラストマン」という考え方
――「ラストマン」という考え方を大事にされていると聞きました。
最終的な責任を自分で取る覚悟を持って、物事をやり切るのが「ラストマン」です。ところが、そもそも日本人は「Status quo」――つまり現状を維持することが好きなのだと思います。これは少し変わった国民性で、はるか昔から狩猟をあまりやらず、田んぼに水を引っ張ってくるようなことに、いつも関心があるのです。
「世の中は変わっていかない」という前提の下で、いろいろなことを繰り返し、それをキッチリとやり続けることにはとても熱心です。それは、海に囲まれている国だということも原因としてあるのかもしれません。
1950年ごろまではそれでよかったのですが、そこから先は、そううまく事が運ばなくなりました。世界中がひとつのバリューチェーンになってしまったからです。日本は以前と同じように海に囲まれてはいますが、実際には全部「世界とつながって」しまっているわけです。


















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