冬場の心筋梗塞「家の中での寒暖差」に要注意 浴室だけでなく「トイレ」にも気を配りたい

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季節の変わり目は体調を崩しやすいものですが、冬は特に心臓への負担が大きくなるといわれています(写真:Graphs/PIXTA)
古くから「季節の変わり目には体調に気をつけて」といわれます。これは、季節が変わるときに気温や湿度などの気候が変化して、体に変調をきたすことが多いということです。
「冬に気をつけたいのは、家の中での寒暖差です」。そう警鐘を鳴らすのは、東北大学名誉教授で医師の上月正博氏。心臓病を予防するうえで、季節ごとにどんなことに気をつけていけばいいのでしょうか。上月氏の著書『弱った心臓を元気にする方法』より、心臓病になりやすい人のタイプを、一部抜粋・再構成してお届けします。

ストレスを溜め込むと負のスパイラルに陥る

ストレスには、急激な変化がもたらす突発的なものや、日々の不安や悩みによって少しずつ蓄積されるものがありますが、いずれも心臓にとっていい影響は与えません。ストレスが心疾患の引き金となり、重篤な症状をもたらすこともあります。ストレスとは、暑さや寒さ、けが、人間関係の悩み、将来への不安、疲労、空腹などがもたらす、精神的緊張や体の防衛反応のことです。その原因となるものを「ストレッサー」と呼びます。

ストレッサーは「悪いもの」だけではなく、結婚式のスピーチに望む緊張感や宝くじを当てたときの興奮など、めでたいことやうれしいことでもなり得ます。人間の心や体に強いストレスがかかると、自律神経のバランスが乱れて交感神経の働きが活発になります。交感神経が過度に働くと、血管が収縮して心拍数を高め、血圧が上昇して心臓への負荷を強めます。ひどくなると不整脈を起こしたり、最悪の場合は突然死をまねいたりします。

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