タバコやお酒より「孤独」が体に悪い不都合な真実 孤独感を感じる状況は、心身の多大なストレスに

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人とのつながりが少ないことは、タバコやお酒の害を超えるほどのリスクがあるといいます(写真:Luce /PIXTA)
季節の変わり目は風邪を引きがち。喉が赤く腫れてしまう人もいるでしょう。
一般に「炎症」と呼ばれるこの症状ですが、実は「急性炎症」のほかに「慢性炎症」が存在します。そして、実はこの慢性炎症はとても厄介なもの。内科医・今井一彰さんは「長く続く炎症は、体のどこでも起こる可能性があり、全身の多くの病気の原因になります」と語ります。
今井さんの新著『名医が教える 炎症ゼロ習慣 ~体内年齢が10倍若返る~』より一部抜粋・再構成してお届けします。

「体のコゲ」を増やすストレスは早めに解消

精神的ストレスがさまざまな病気を引き起こすひとつの原因になっていることはよく知られていますが、そこには慢性炎症がかかわっていると考えられるようになっています。

たとえば、仕事による過労や人間関係のトラブルなどが原因となるうつ病は、炎症との関連が注目されています。デンマークの研究では、7万人以上の人たちに高感度CRP検査を行ったところ、社会的ストレスが高く、うつ病と診断されている人のグループは、対照となるグループに比べて、CRPの値が高かったそうです。また、日本の研究では、マウスにストレスを与え続けると、脳内に炎症を引き起こすサイトカインがつくられて炎症が起こり、うつ病に似た症状が起こるという結果が出ています。

これらの結果だけで、うつ病と慢性炎症の関係が証明されたわけではありませんが、ストレスが脳や体に炎症を引き起こすことがわかってきているのです。

ストレスによる体の変化としてよく知られているのが、自律神経との関係です。

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