東山紀之「まもなく引退」に危うさを感じる理由 "夢をあきらめた僕"は今後どうなっていくのか

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旧ジャニーズは「時代劇に出演することでアイドルの知名度を上げ、ファン層を広げたい」、テレビ朝日は「時代劇の視聴者層にアイドルのファン層が加わることで視聴率を上げたい」という両者の利害関係が一致。50年超にわたるヒットシリーズをジャニーズ色に染め上げてきましたが、今回の騒動を経た来年以降、このやり方は通用しなくなるでしょう。 

宙に浮いたままのドラマ「刑事7人」 

また、東山さんは主に7~9月期で9年連続放送されている「刑事7人」(テレビ朝日系)の主役も務めてきました。今後は「『刑事7人』シリーズも本当にこれで終わりなのか」「引退後に復帰したら、主役としてシリーズ再開するのか」という点でも注目を集めるでしょう。 

長年業界内では、東山さんの役作りにかけるストイックさは評価されてきました。体型維持だけでなく身体能力をキープするためにトレーニングを欠かさず、役にもとことん向き合おうとする。とりわけ舞台における歌と踊り、美しく見せる身のこなしなどは今なお「業界トップクラス」と称賛されているだけに、業界内の人々、特に舞台関係者が復帰に向けて動き出す可能性は十分あるでしょう。 

本当にこのまま東山さんが「夢をあきらめた僕」のままで終わってしまったら、それは今回の騒動が2次被害者を生んだことにほかなりません。また、東山さんのファン、共演者、スタッフなども第3次被害者のようにも見えてしまいます。 

もちろん被害者救済が第一であることは揺るがないものの、それに一定のメドが立った今はすでに引退を惜しみ、復帰を求める声をあげていい段階に入っているのではないでしょうか。 

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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