一流の「ビール売り子」が体現する商売の鉄則 AKB総選挙に通じるファンとの関係

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トップクラスのビール売り子は、あらゆる動作において素早い

もはやこの時期の風物詩になった「AKB48選抜総選挙」。総勢80人の中から41枚目シングルのメンバーをファン投票で決定する今回は、あす6月6日(土)に開票となる。第7回を迎えて、ややマンネリ感も出てきているものの、なんだかんだで今年も多方面で話題になりそうだ。

そんなAKBのように、ファンの人気が命運を左右する職業がある。夏を迎えて本格的なシーズンの戦いを迎えているプロ野球。その舞台である野球場で奮闘するビールの売り子さんだ。正しくは「立ち会いスタッフ」。プロ野球シーズンだけの季節限定のアルバイトである。

5月16日に配信した「時給8000円を稼ぐ『ビール売り子』の超仕事術」には大きな反響が寄せられた。だが、彼女たちの仕事の裏側にはまだまだ語り尽くせないところがある。今回はAKB総選挙の人気投票に通じる側面を紹介したい。

トップクラスの売り子になると1杯/分のハイスピード

ビールの売り子は平均的に1試合で100杯前後のビールを売っている。たとえば試合時間が3時間だったとすると、180分で100杯。1杯売るのに2分弱しかかけていない。トップクラスになると150~200杯となるので、1杯1分前後のハイスピードでどんどん売りさばいていく。

その仕事は、単に注文を受けてビールを注いで終わり、ではない。代金の授受、お客との何気ない会話、そしてビールの補充もある。そして、まるで修行僧のように球場の客席を縦横無尽に歩き回り、傾斜のきつい階段を何度も登り降りするような時間も含めて、1杯当たり1~2分というスパンで売っていくのである。

いくら端麗な容姿や愛嬌のよさ、体力などがあったとしても、始めたばかりの新人売り子が、1杯1分前後でどんどん売りさばくのはとても無理だ。そこには効果的かつ効率的な商売の仕掛けが必要となる。

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