OpenAI電撃復帰「アルトマン」そんなにすごいのか 英雄好きシリコンバレーの困ったカルチャー

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さむ・アルトマン
CEOを解任されたOpenAIへの電撃復帰を発表したサム・アルトマン氏だが、同氏をスティーブ・ジョブズのように「伝説的」に扱うのは危険だ(写真:SeongJoon Cho/Bloomberg)

スティーブ・ジョブズは、その才能と直感でiPhoneを生み出し、アップルを世界で最も価値のある企業にした。妥協を許さず、圧倒的な存在感を持ち、代わりのきかない存在だったジョブズの生涯は、ユーザーがコントロールするデバイスで満たされる未来を創造するものとなった。

サム・アルトマンは昨年、明日を担うシリコンバレーの起業家としてジョブズの地位を引き継いだ。シリコンバレーで最も大きな仕事であり、それは今、最も困難なものとなっている。自分がコントロールするのではなく、コントロールされる側になる——。そう危惧する人が増え、未来は危険に満ちあふれたものになっているからだ。

アルトマンは11月17日に解任されるまで、人工知能(AI)の雄であるオープンAIのCEOだった(編集部注:その後、復帰を発表)。彼はAIが人類に初めての黄金期をもたらすと約束したが、それはインターネットに接続されたトースターに市場があると考えた発明家と同じ類いの人々から生まれたものだった。

ジョブズとの比較に異議あり

アルトマンの茫漠とした野望はオープンAIの取締役会でトラブルの原因となり、アルトマンは意思疎通において「正直ではなかったことがある」として取締役会から解任された。

これに衝撃を受けたシリコンバレーでは、アルトマンの復帰を求める激しい抗議の声がオープンAIのサンフランシスコ本社に向けられることとなった。未来は漠然としているが、大金が危険にさらされていた。

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