歴史と過去問に共通するもの、わかりますか? 読み書きそろばん以前の考えるトレーニング

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机のうえに置かれた本とペン
「過去問」と歴史に共通するものとは(写真:viola/PIXTA)
考えるとは、「具体と抽象を行き来すること」とも言い換えられる。大人でも、子どもでも、1日でも早く身に着けるに越したことのない、読み書きそろばん以前に「標準装備」すべきものの見方であり、人間関係も勉強もよりスムーズに運ぶ力となる。本記事では、発売からたちまち3刷と大反響の『13歳から鍛える具体と抽象』を上梓した細谷功氏が「過去問」と歴史に共通するものは何か?という視点から、具体と抽象の鍛え方を説く。

なぜ過去問を解くのか?

人生の中で何かの試験を受けることがあるかと思います。大学・高校・中学などの入学試験、あるいは資格試験などです。こんな時に誰もが試験前にする対策が「過去問」の研究です。とくに前年度(前回)の過去問をまったく見もせずに本番の試験を受ける人はごく少数派といってよいでしょう。

13歳から鍛える具体と抽象
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つまりこれは試験で好成績を取るための必須の準備事項というわけです。ところがよく考えるとこれは不思議です。たとえば入試問題は基本的にそうだと思いますが、昨年出題された問題がそのまま出る確率は限りなくゼロに近いといってもよいでしょう。ということは、直前回の過去問というのはある意味で数ある類似の問題集に掲載された問題の中でも「世界一出題される可能性が低い」問題なわけです。

それでも準備対策として誰もが取り組むのはなぜでしょうか。ここで過去問を解いたときに確認するであろうことをリストアップしてみてください。

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