熱狂からわずか1年、漂流するモディノミクス

あっさり剥がれた"ヒーロー"の化けの皮

モディ政権誕生から1年。国民の間には早くも失望の声があがっている(Photo by Mohd Zakir/Hindustan Times via Getty Images)

インドのナレンドラ・モディ首相率いるインド人民党(BJP)政府は、この5月に政権誕生1年を迎えた。その実績を全体的に評価するにはまだ早過ぎるが、インド国民の間ではすでに失望感が広がっている。

BJPは、国民会議派のマンモハン・シン首相率いる統一進歩同盟が10年にわたって政権に就いていた間野党だったが、その後期待の波に乗って政権の座に就いた。BJPの支持は事実非常に強く、同党はローク・サバー(インド議会の下院選挙)で30年ぶりに大多数を獲得した最初の党となった。

宴の後の現実

BJP政権に対する当初の期待は、その前の政権とは対照的であるという印象に基づくものだった。今度こそ無口な80代(決断力に欠け煮え切らない、と風刺されることが多かった)の老人が率いる対立の絶えない連立政権などではなく、果断な「行動の人」が率いる強力な一党政権になると国民は考えていた。

モディは、グジャラート州を成功に導いたのと同じ手法で、インド全体に成功をもたらすだろうと訴える賢い(またカネのかかった)キャンペーンを通じて選挙戦に送り込まれた。雇用を生み出すと約束し若者を魅了し、成長や改革を促すと年長者たちを説得したモディは、信任を勝ち得てインド社会を驚かせた。これに対し、国民会議派はこれまでで最低の結果を残した。

モディは選挙以来、エネルギッシュに国外に出掛け、海外からの投資を歓迎すると売り込んできたと同時に、他国の製造業者に「メイド・イン・インディア」を進めるよう呼び掛けてきた。だがモディの海外訪問は、グジャラート州で2002年の反ムスリム虐殺の際に1000人以上の死者が出たことに対し、同州首相として少なくとも過失はあったとする非難を受けているだけで、たいして成果をあげていない。

国内における実績もまたぱっとしない。モディの演説やキャッチフレーズは、彼のファンを依然魅了し続けてはいるが、その内容と現実の差は日を追うごとに広がっていくばかりだ。

次ページモディ政権が抱える矛盾
関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
経済の新常識<br>日本の今を「総括検証」!

追加緩和発動!風雲急を告げる日本経済を緊急解説する。景気、為替、経済対策などを賢人たちが徹底講義。加えて、「今」を読み解くための経済学の歴史、経済統計の見方も説明。

  • 新刊
  • ランキング