スズキ会長「私が辞めるわけにもいかない」 85歳の鈴木修会長が後継問題に言及

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「取締役がちょっと老化しているんじゃないかという指摘はいただいた」(鈴木会長)

「社外取締役からもご指摘をいただいたわけで、(取締役が)ちょっと老化しているんじゃないか、と。年齢的に。精神面は別として」。

5月11日に開かれた、スズキの2015年3月期決算会見。会場が最も盛り上がったのは、鈴木修会長兼社長が後継についての質問に答えた、このシーンだった。

今年1月30日に85歳となった鈴木会長。1978年に社長に就任、2000年にいったんは会長に退いたが、津田紘社長(当時)が病気退任したことに伴い、2008年末からは社長も兼務している。40年近くもトップに君臨する修会長の後継問題は、スズキの最大の経営課題だ。

社外役員から指摘された「高齢化問題」

鈴木会長は後継問題に直接、言及することは避けた。その代わり、社外役員から取締役の「高齢化問題」という指摘を受けていると明かし、新たな役員の退任ルールを定めたことを説明した。

「こういうご指摘をいただきまして、これは若返らせなきゃいかん、ということで。私が一番先に辞めればいいのだが、そうもいかないという、うぬぼれもありますから。取締役の最年長者と、専務役員や常務役員など執行役員の最年長者を、1名ずつ辞めていただいて、これから5年間で若返りを図る。こういう風に思っていますから、そんなご理解をいただければと思います」。

鈴木会長の言葉通り、4人いる副社長の筆頭で国内営業担当の田村実副社長(66)と、相澤直樹取締役専務役員(63)は6月総会後に退任する。

鈴木会長が取締役の平均年齢を引き上げているのは事実だが、卓越したリーダーシップに余人を持って代えがたい――そう思わせるほど、この日も鈴木会長の独壇場だった。後継問題のみならず、決算や、軽自動車のシェア争い、独フォルクスワーゲン(VW)との問題など、“修節”全開で語り尽くした。

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