AI半導体・NVIDIAが「ひとり勝ち」した納得背景 決算書から見えた「事業シフト」の全貌とは

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生成AIブームにより「ひとり勝ち」状態にあるというNVIDIA(エヌビディア)(写真:MMXeon/PIXTA)
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生成AIブームにより、時価総額1兆ドルを超えたことでも知られるようになったNVIDIA(エヌビディア)。第2四半期(5-7月)の決算では、粗利率が70.1%、前年同期比で売り上げが約2倍、営業利益が14倍と驚異的な数字をたたき出しました。半導体関連企業で「ひとり勝ち」の様相を呈する同社。いったいどうやって、その高みに至ったのでしょうか。
佐伯良隆氏の『100分でわかる! 決算書「分析」超入門 2024』(朝日新聞出版)より一部抜粋・再構成してお届けします。

時価総額1兆ドルを達成! AI産業の寵児・エヌビディア

2022年11月に公開されるや否や、瞬く間に世界中を席巻した生成AI「ChatGPT」。その頭脳を司るのが、アメリカ・エヌビディア社が開発した「GPU」(画像処理装置)です。

現CEOのジェンスン・フアン氏らによって1993年に設立された同社は、1999年に高速処理により3D映像を滑らかに表現できる世界初のGPU「GeForce256」を発売。以後、グラフィックスチップ界のトップランナーとして、PCやスマホ、PlayStation3などのゲーム機のGPUを次々に開発し、着実に成長してきました。

転機が訪れたのは2012年。AIによる画像認識の精度を競う大会で、GPUを使って深層学習(ディープラーニング)したAIが、圧倒的な差をつけ優勝。CPUに比べ、大量のデータを並列処理できるGPUの特性が、AIの性能を飛躍的に高めることが認められました。

(出所:「100分でわかる! 決算書『分析』超入門 2024」)

その後、同社は競合のインテル社やAMD社に先駆けてAI向け半導体を開発。2010年代から本格化したディープラーニングブームの波に乗り、企業のデータセンターや自動運転車、ロボットなどの市場で業績を伸ばします。

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