「2020年9.4兆円の赤字」を大幅に減らす方法

「社会保障費抑制」への具体的な道筋とは

社会保障費抑制は、高齢者だけの話ではない(写真:TSUYOSHI / PIXTA)

安倍晋三内閣で6月末をめどに策定する財政健全化計画の議論が佳境に入っている。政府では経済財政諮問会議で議論を進めており、自民党では財政再建に関する特命委員会で議論が進み、5月12日に「財政再建に関する特命委員会報告(中間整理)」を公表した。 

現状は年3.5%成長でも財政健全化できない

2020年度の基礎的財政収支を黒字化する目標を達成する具体策は、これからの議論での焦点であり、どのようにまとまるか予断を許さない。2月12日に公表された内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」(以下「中長期試算」)によると、2017年度から消費税率を10%とし、2010年代後半の名目成長率を3.5%前後に見積もった(経済再生ケース)としても、2020年度における国と地方を合わせた基礎的財政収支は約9.4兆円の赤字になる見込みである。

この9.4兆円の収支改善のうち、どれぐらいを歳出改革で行うかは、さまざまな意見が出ていて、現時点ではまだ収束していない。しかし、その中でほぼ共通して焦点となっているのは、社会保障改革である。

財政健全化の文脈で、社会保障改革というと、何かと出てくるのがいわゆる「骨太方針2006」(正式には「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」である。「骨太方針2006」では、2011年度の基礎的財政収支の黒字化を目指して、歳出の個別分野ごとに削減目標を定めた。

「骨太方針2006」の本文末尾には、「今後5年間の歳出改革の概要」(俗にいう工程表)として、社会保障費を5年間で1.6兆円削減することが明示された。しかし、社会保障費のどこをどう改革するかという具体策や実施する政策手段についても、事前に合意せずに金額だけ1.6兆円削減と示された。そのうち、国が支出する分は1.1兆円だった。そして、この「骨太方針2006」に基づき、2007年度予算編成以降、1.1兆円を単純に5で割った2200億円が、削減のノルマであるかのように議論されたため、大いに批判された。

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