「新NISA始めたい人」どこで始めるのが結局トクか 運用成績だけでなくポイント還元率も注視したい

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「auマネ活プラン」でNISA積立をすると3%(~2%)だが、他のネット証券はどうだろう。

現行NISAの口座保有数で見ると、楽天証券約449万口座、SBI証券約370万口座(いずれも2023年6月末)となっている。

つみたてNISA口座については、全証券会社のうち楽天証券が55%のシェアを占めている(2023年3月末)。同証券でつみたてNISAを利用しているのは30歳以下の若者層が6割超といい、これには楽天カード決済による積み立ての寄与が大きい。

カードでNISA積立できるネット証券の還元率比べ

新NISAスタートを前に、楽天カードも還元率を見直した。通常カードでは0.2%から0.5%へ、ゴールドカードでは0.2%から0.75%へ、楽天プレミアムカードでは0.2%から1%へ。ちなみにプレミアムカードの年会費は1万1000円、先のau PAYゴールドカードと同金額だ。

ただし、この還元率改定はKDDIの発表より前に行われたもの。ひょっとすると、新NISA開始の12カ月間はすべてのブランドで1%にそろえるなどの見直しもあるかもしれない。

次はSBI証券。こちらは三井住友カードをはじめ、タカシマヤカード、東急カード、大丸松坂屋カード、オリコカードなどを保有しているユーザーが投信積立できる。

還元されるポイントもカードによりさまざまだ。もっとも還元率が高いのは、三井住友カードプラチナプリファードの5%。毎月5万円の積み立てをすると3万円のVポイントが付与される。ただし、カードの年会費も年間で3万3000円なので、若年層が手を出すカードとは言い難いか。1%還元となる三井住友カードゴールドNLなら年会費5500円なので、積み立てだけでちょうど年会費分くらいの還元が受けられそうだ。

伏兵として、マネックス証券にも触れておこう。NISA口座数では上の2証券には及ばないが、クレカ積立の還元率では負けてはいない。投信積立では100円につき1ポイントに加えて、1000円につき1ポイントが加算され、最大1.1%となる。ただし、投信積み立ては原則1000円以上1円単位。カードの年会費は初年度無料、次年度以降は年会費550円だが、年間1回以上の利用で無料になり、そこに投信積立も含まれるので実質無料と言っていいだろう。

問題はマネックスポイントの使い道だが、投資信託の買付・株式取引・暗号資産などの投資に使えるほか、dポイントやPontaなどへの交換も可能だ。

なお、カード積立の購入金額の上限は各社とも月5万円だが、丸井グループのtsumiki証券が2024年1月より月10万円に引き上げると発表した。問題がなければ、各社も遅からず追随すると思われる。

これまでをざっとまとめると、カード積立の還元率はこんなところだ。

SBI証券+三井住友カードプラチナプリファード…最大5%(年会費3万3000円)
楽天証券+楽天プレミアムカード…最大1%(年会費1万1000円)
auカブコム証券+au PAYゴールドカード…最大3%(年会費1万1000円。12カ月後は2%)
マネックス証券+マネックスカード…最大1.1%(年会費は実質無料)
(還元率は永続的ではなく変更される可能性あり)

ただし、プラチナなど高額のものからカードのランクを下げていくと、だいたい1%前後にそろってくる。やはり年会費実質無料のマネックスがなかなか優秀だ。

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