元国税調査官が語る、青色申告より白色が有利の訳 小規模事業者が知るべきメリット・デメリット

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青色申告をすることは、本当に得なのか?(写真:Graphs/PIXTA)
個人で事業を営むうえで絶対に避けて通れないのが、毎年の確定申告です。青色申告をすると税率は優遇されますが、メリットばかりではありません。あえて青色申告をしないほうが小規模事業者にとって有利なことも多いと、元国税調査官の大村大次郎氏は語ります。青色申告をすることは本当に得なのでしょうか。
※本稿は『元国税調査官が教える税金を最小限に抑える技術 正しい脱税』から一部抜粋・再構成したものです。

小規模事業者は白色申告のほうが有利

個人事業者として事業を行う場合、青色申告にするか、白色申告にするかという問題がまず出てくる。

国や税務署は、青色申告を薦めている。税金入門書のほとんども、青色申告を薦めている。だから、個人事業者の中には、何の疑問も持たずに青色申告を選択している人も多いようだ。

しかし、税務の現場にいた者から言わせてもらえば、小規模事業者は、青色申告よりも白色申告のほうが有利だといえる。

なぜなら青色申告というのは、「きちんと帳簿をつける見返りとして、若干の税金割引をします」という制度だからだ。この「きちんと帳簿をつけること」というのが、経理初心者の人には非常に大変なのだ。

例えば、あなたは複式簿記とはどういう意味かわかるだろうか? 会計の勉強をしたことがない人はわからないだろう。青色申告の場合、原則としてこの複式簿記をしなければならないのだ。

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