松本明子が語る「実家じまい」の壮絶な苦労と教訓 特集「相続・登記・空き家2024年問題」インタビュー

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タレント・女優の松本明子氏
松本明子(まつもと・あきこ)/タレント・女優。1966年生まれ。香川県出身。83年の歌手デビュー後、テレビのバラエティー番組に多数出演し、元祖「バラドル」として幅広い世代から人気を集める。現在はドラマや映画、舞台など幅広く活躍中。最近は自身の経験を基に実家じまいの重要性をメディアで発信している。(撮影:今井康一)
2024年に相続や登記・空き家のルールが激変する。1月に「生前贈与制度」が変更、4月には「相続登記の申請義務化」が始まる。さらにマンションの相続税評価額の新しい算定ルールも導入予定だ。『週刊東洋経済』の8月7日(月)発売号(8月12・19合併号)では、「相続・登記・空き家 2024年問題」を特集。相続・登記・空き家関連の2024年問題とその対応策を解説していく。誌面の中から、相続や空き家で大変な思いをしたタレント・女優の松本明子さんのインタビューを配信する。
『週刊東洋経済 2023年8/12・19合併号[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

松本明子さんは、両親の死後、空き家になった実家を25年にわたり維持し続け、リフォームを含む費用は1800万円を超えたという。そんな「しくじり体験」を持つ松本さんが語る、「実家じまい」に早めに着手することの大切さとそのポイントとは。

──香川県の実家を25年間維持し続けたそうですね。

17歳でデビューしてからずっと鳴かず飛ばずだったが、10年目、27歳でレギュラー番組が決まって仕事が増えてきた。やっと親孝行できると思い、定年退職した父と母を実家から呼び寄せ、都内のアパートで3人暮らしを始めた。

その後は年に数回は両親が香川に戻り実家の掃除や空気の入れ替えをしていたが、だんだんその頻度も下がり空き家になっていった。

選択肢になかった実家の処分

実家の処分は選択肢になかった。いずれ両親が香川に戻る可能性もあったし、「浮き沈みの激しい業界にいる娘がいつでも戻ってこられるように」との思いもあったからだ。だが、私が37歳のときに父が病に倒れ「明子、実家を頼む」と言い残し亡くなってしまった。

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