富士フイルム「チェキ」がスマホ連携で遂げた進化 写真を加工できる拡張現実(AR)機能まで搭載

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種類がさまざまのチェキ
最近の「チェキ」はデザインも機能も大きさもさまざまだ(写真:記者撮影)

撮ったその場で、現像された写真フィルムが出てくる「チェキ」。1998年に富士フイルムから発売され、2023年11月で発売25周年を迎える。

スマートフォンの登場で、写真は誰にでも撮影できるものとなり、即座にデータをやりとりできるなど効率的になった。その反動として、撮り直しができない、データではなくモノとしてのフィルムが出てくるという、チェキのアナログ感が逆に魅力となっている。

近年はBluetoothでスマートフォンと連携させることで、楽しみの幅を広げる製品を開発。本体での撮影だけでなく、スマホで撮った写真の印刷もできるハイブリッドタイプと、スマホで撮った写真を印刷するためのスマホプリンタータイプに分けられる。

特に好調なのは遊べるスマホプリンター「Link」シリーズだ。初号機は2019年10月に発売。ランダムもしくは簡単なテストの結果に基づく相性診断機能などが話題になった。そのリニューアル製品にあたるのが、2022年7月に発売した「INSTAX mini Link 2」だ。

今なお広がる機能と顧客層

同製品は単にプリンターとして使えるだけではない。プリンター本体をスプレーのように持っている姿を専用のスマホアプリで撮影することで、特殊効果が楽しめるAR(拡張現実)機能を搭載した。家電量販店では1万5000円程度で販売されている。

instax mini Link 2のイメージ
スマホプリンター「INSTAX mini Link 2」は本体をスプレーのように使って、空中にエフェクトをつけたり、絵を描いたりできる(写真:富士フイルム)

この新製品が牽引し、「Link」シリーズの2022年度の販売台数はグローバルで前年度比2割増。俳優の広瀬すずさん、横浜流星さんがチェキで遊ぶ広告も功を奏してか、国内での売り上げは前年度比3割増だった。

若者の間でも「チェキも加工の時代なのか」「盛れてる写真を印刷したいときに便利」など受け止め方はさまざまだ。

広がっているのは機能だけではない。チェキ専用フィルムのサイズも広がっている。現状、定番のカードサイズに加えて、2倍サイズのワイド、正方形のスクエアの3種類ある。

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