地下鉄が「空白地帯」を網羅・東京ご当地鉄道事情 わざわざ大回りしているのには理由がある

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都営三田線6300形
東急目黒線を走る都営地下鉄三田線6300形。現在は8両の新型車両へ置き換えが進む(撮影:鼠入昌史)
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東京という都市は、大阪や名古屋といったほかの大都市と比べても、とにかく大きい。東京に次ぐ大都市である大阪と比較してみても、大阪環状線は1周30分なのに対し、東京の山手線は1時間。東京の鉄道はそれだけ規模が大きいというわけだ。

それだけに同じ東京の中でも移動は思うほどラクではない。歩けばいいや、というような距離でなければ、鉄道を使わねばならないが、東京都心、山手線の内側はおおむね地下鉄によってカバーされている。だから、東京の地下鉄を把握することは、まさに一丁目一番地、東京暮らしと東京の鉄道を存分に活用するうえで、避けて通れないハードルのようなものなのだ。

“いいとこ取り”の路線

そんなわけで、今回は東京の地下鉄を旅してみようと思う。ここぞという中心もなく、実に13路線も走っているのだから、1つひとつをていねいに旅して……というわけにはいかない。が、まずは東京メトロ銀座線に乗ることから始めよう。

銀座線は、渋谷から浅草までを結んでいる。1927年に浅草―上野間で開業した日本で初めての本格的な地下鉄路線だ。太平洋戦争前の段階で開業した東京の地下鉄はこれだけだから、まさに13路線の原点といっていい。

結んでいる場所も秀逸で、渋谷・表参道・赤坂見附・新橋・銀座・日本橋・神田・上野・浅草。新旧入り交じりつつ、ザ・東京といったエリアを連ねて走っている。

この銀座線と、次に乗るべき丸ノ内線は、郊外に延びる私鉄路線などと直通運転をしていない。レールの幅が1435mmの標準軌、直流600Vの第三軌条方式という仕様ゆえ、いまさら直通運転をしたくてもできない。それでも、銀座線と丸ノ内線が東京の地下鉄において圧倒的な存在感を放っているのは、歴史もさることながら、“いいとこどり”と言いたくなるほどよい場所を走っているからにほかならない。

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