株価急騰!日本人が「投資しないリスク」はあるか 日経平均株価が33年ぶり3万3000円台回復

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この局面で「投資しないリスク」はあるのか(写真:シルバーブレット/PIXTA)

日本では長い間、預貯金が最も安全な金融資産と言われてきた。いまだに、国民の資産の半分以上がほとんど利息を生まない現金や預貯金のままだ。それがここにきて、急激な円安や株価の急騰に直面して、「投資しないリスク」が問われている。

投資しないリスクは本当にあるのか、証券会社などのセールストークに過ぎないのではないのか……。資産を長期間にわたって守り続ける資産防衛術とは何か? 投資しないリスクについて考えてみた。

日経平均株価が33年ぶり3万3000円台回復

日本の株価がここにきて大きく上昇している。日経平均株価が、33年ぶりに3万3000円台を回復させるなど、株価を大きく上昇させている。アメリカの大手投資銀行「モルガン・スタンレー」も、最新のレポートで「日本株のロング(買い)」を推奨している。

なぜ日本の株がここにきてクローズアップされたのか。著名投資家のウォーレン・バフェット氏の日本株追加投資のニュースが海外投資家の日本株買いにつながっている、という説が多いが、30年以上にわたって回復できなかったのもまた事実だ。それとも、日本経済が新しいフィールドに入ったことを物語っているのか……。

一方で、アメリカやヨーロッパなどの金利が上昇する中で、日本の中央銀行である日本銀行だけが金融緩和策を続けており、ゼロ金利政策がいまも続いている。その影響で、円はどの通貨に対しても大きく下げており、1ドル=140円前後の円安が続いている。その影響で、日本国内でもここにきて急激なインフレが襲いつつある。

こうした事情から、注目されているのが「投資しないリスク」だ。周知のように、日本人の多くは価格変動リスクのない預貯金に資産を預けるという人が多い。日本銀行の資金循環統計でも、日本の家計資産は2023兆円(2022年12月末現在)に達しており、そのうち現金・預金は1116兆円、株などの証券が311兆円、保険・年金・手形保証等が536兆円、その他59兆円となっている。

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