メガネのJINSは、なぜ戦略を転換するのか 「PC眼鏡」や「低価格帯」依存から路線変更

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業績低迷を受け、商品構成を定番品6割、スポット商品4割へと見直す(写真はコレド日本橋店)

眼鏡チェーン「JINS(ジンズ)」を運営するジェイアイエヌが反転攻勢に出る。この4月には商品ラインナップの6割程度を大幅に刷新。これまでヒット商品中心の品ぞろえだった商品構成を、早期に定番品6割、スポット商品4割に見直す方針だ。

 また4月9日からは、商品の展示の仕方も、これまで「エアフレーム」や「JINS PC」など商品別に陳列していたのを、「フォーマル」「クラシック」「スポーツ」など8つのカテゴリーに分けて陳列する。JINSと言うと、安くてデザイン性の高い眼鏡という印象から、20~30代の顧客がメインターゲットになっていた。が、定番品や高付加価値品の比率を増やすことで、顧客対象も全世代に広げる考えという。

PC眼鏡ブーム一巡で急降下

まさに第2の創業とも言えるほど大胆なテコ入れ。ジェイアイエヌがここまでの大転換を図るのは、「ヒット商品に頼りすぎてきたという反省がある」(IR担当)からだ。

レンズとフレーム込みで4900円からという低価格と、デザイン性の高さによって、近年急成長してきたジェイアイエヌ。目の疲れを軽減する、パソコン用眼鏡「JINS PC」の大ヒットもあり、2013年8月期は売上高365億円、営業利益62億円と、業界2位にまで浮上した。

ところが、ヒット商品頼みは長続きしない。PC用眼鏡ブームが一巡したことも打撃となり、既存店売上高は、2013年9月から前年割れが続き、2014年8月通期では前年比21%減に沈んだ。当然ながら業績も厳しく、2014年8月期の営業利益は前期から半減。加えて、4億7300万円もの商品を在庫整理損として計上し、「さすがに商品を(倉庫から)見送ったときは胸が痛んだ」(同社幹部)。

業績の急拡大からの急降下。この経験を経て、2つの改革に乗り出すことに決めたのである。

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