「韓国産アサリ」国産と偽わざるを得ない深刻事情 数十年間にわたり「産地偽装」が常態化していた

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常態化していたというアサリの「産地偽装」。その実態とは?(写真:kai/PIXTA)

韓国から輸入したアサリを「熊本県産」と偽装して販売したとして、熊本県内の水産会社の男性役員が、このほど食品表示法違反の疑いで福岡県警に逮捕された。

報道によると、この役員は2020年から2021年にかけて、産地偽装したアサリ約100トンを販売して、約4100万円分を売り上げた疑いがもたれている。

警察の調べに対して、役員は「国産アサリでなければ売れない」などと述べて、容疑を認めているという。

これまでも「熊本県産」として販売されていたアサリの多くが「外国産」だったという、いわゆる「産地偽装」問題が指摘されている。

はたして、どのような実態があるのだろうか。かつて検事として、アサリの産地偽装にまつわる事件を担当したことがある西山晴基弁護士に聞いた。

関係者は口をそろえる「国産でないと売れない」

――どのような実態があるのでしょうか?

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

ある業界関係者によると、過去数十年間にわたり、輸入アサリをいったん日本の海にまいて、短期間後に引き揚げるという作業を経ただけで、その輸入アサリを「国産アサリ」として表示して販売するという「産地偽装」が常態化していたようです。

今回の摘発事件と同じように、関係者の多くは、口をそろえて「国産でないと売れない」と吐露していました。

次ページ具体的にどのような「偽装」が行われていたのか
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