「日本企業の強さは現場力にある」という視点から、現場力を鍛える仕組みをわかりやすく読み解いた1冊で、「私の職場でも応用できるヒントを見つけた」「現場で働くことが楽しくなった」などの声が、読者から多数届いています。
今回から2回にわたって、『現場論』の中で「ミニ事例」として紹介した、山形県鶴岡市立加茂水族館の村上龍男館長との対談を掲載します。
「老朽・弱小・貧乏」の“三重苦”で閉館寸前だった水族館が、「クラゲに特化」することでV字復活を遂げ、ギネス認定の「世界一のクラゲ水族館」になった、その奇跡を生み出した現場力の秘訣を探ります。
「老朽・弱小・貧乏」の“三重苦”水族館
遠藤:山形県鶴岡市にある加茂水族館といえば、今や「世界一のクラゲ水族館」として有名ですが、一時は閉館寸前の状況にまで追い込まれていたようですね。
村上:ええ。1964年のオープン後、入館者年間22万人をピークに、最低9万人にまで落ち込んだ時期もありました。
遠藤:当時は、1日に入館者が2人という日もあったようで。
村上:ええ、恥ずかしながら、1日に誰も来ない日も……。それがおかげさまで、2014年6月に新館をオープンし、8カ月間で67万3000人のお客様にお越しいただきました。
遠藤:来館者数が10倍近くに増えたわけですね。
村上:ある有名な水族館の副館長(当時)のホームページに「どこといって取るところのない、なくてもいい水族館」と書かれたこともあるので、それを考えると隔世の感があります。
遠藤:かつて館長自身も「<老朽・弱小・貧乏>の3拍子そろった水族館」と言っておられました。それが、どんなきっかけで、クラゲに特化しようと思われたのですか?
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