電事連会長「中間貯蔵施設で連携を検討」

使用済み核燃料処分で個社対応の限界露呈

電事連の定例会見で、中間貯蔵施設の設置について言及する八木会長

電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は3月20日の定例会見で、このほど決定された原発5基の廃炉に関連し、使用済み核燃料を再処理前に一時保管する中間貯蔵施設の設置で、電力各社が連携する可能性を検討していく考えを示した。設備解体に伴って発生する放射能濃度が比較的高い廃棄物についても、今後の規制基準の整備を踏まえたうえで、各社共同での処分地確保を検討すると述べた。使用済み核燃料の中間貯蔵施設については、これまで、東京電力と日本原子力発電が共同で青森県むつ市に設置(現在、原子力規制委員会の審査中)した例がある。

「中間貯蔵施設を造るのは個社対応が基本だが、なかなか難しい。だが、この問題を解決しないと、円滑な廃炉ができないので、(共同設置など)あらゆる可能性を含めて検討したい」と八木氏は言う。今のところ、候補地を含めて他社と具体的に検討を始めた事実はまだないとしているが、「互いに困っているなら、連携がスタート地点だと思う」とも述べた。

使用済み核燃料は本来、青森県六ヶ所村の再処理工場へ運び、再利用する計画になっていた。しかし、再処理工場の稼働のメドが立たず、行き場もなく、各原発に貯め置かれている。

施設設置を210自治体に1900回もお願い

関電の場合、17日に美浜1、2号機の廃炉を決定。使用済み核燃料については立地自治体の福井県に対して「県外処分」を約束している。これまで関電は、電力を供給している福井県外全210の自治体に対し、中間貯蔵施設の設置に理解を求める訪問説明を延べ約1900回行ってきたというが、理解は得られていない。電力会社の共同・連携による中間貯蔵施設設置については、17日に西川一誠・福井県知事へ廃炉決定を報告した際にも検討する意向を伝えていた。しかし、県外処分のメドはまったく立たない。電力各社の連携で施設が大規模化すれば、建設がより困難になる可能性も高い。

″核のゴミ″処分で限界を露呈している一方、八木氏は原発の新増設についてはこれまで通り積極推進を政府に求めた。「現在、エネルギーミックス(電源構成)が議論されているが、業界のスタンスとしては、バランスに優れた原子力発電を将来にわたって一定程度確保する必要があると考えている。そのためには新増設が必要であり、その方向性を出していただきたい」(八木氏)。

また、美浜原発1、2号機の廃炉に伴う地元経済への影響に関して、八木氏は、「(関電として)地元に(廃炉の)仕事を発注し、雇用確保のために最大限の努力をしたい」と語った。さらに、「原子力は国策で、地元の産業にもなってきた」とし、廃炉に伴う自治体への交付金減額を補う国の対策に対し、「われわれの立場としてもお願いしていきたい」と述べた。

 

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