「好かれる人」が会話中に自然に心がけていること 「幅の広い質問」と「具体的な質問」で反応に差

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うまく話すにはスキルよりも心がけが大切(写真:kikuo/PIXTA)
「話し上手になりたい」「コミュニケーション能力を高めたい」と願う人は多いことでしょう。しかし、「いくら流暢な話し方を学んでも意味がない」と「伝わる話し方」を伝授する桐生稔さんは言います。本稿は桐生氏の著書『話し方の正解 誰とでもうまくいく人の55のルール』より一部を再編集のうえ、“相手の頭の中を想像する会話術”について解説します。

話し方を学ぶのではなく、相手の頭の中を想像する

世の中には、次のように「誰とでもうまくやれる人」が存在します。

・話していていつも楽しい人

・その人がいると場が明るくなる人

・なぜか協力したくなる人

気づいたらその人を中心に会話がまわっています。なぜ、そんなことができるのか。答えは簡単です。「誰とでもうまくやれる会話を実践しているから」です。

人間が楽しくなるメカニズム、うれしくなる会話の流れ、協力したくなる言い回し、人の心が動く術を知っているのです。そして自然にペースを握っていきます。

実は、うまくいく人間関係を構築する方法は、話し方を学ぶこと、ではありません。「相手の頭の中を透視すること」なのです。

「透視」というのは、相手の頭の中を想像することです。相手がしてほしいこと、期待していること、投げかけてほしい言葉、それを察知すること。さらに、相手も気づいていない相手の可能性にタッチする言葉を伝えること。これができるようになれば人間関係はうまくいきます。

人間はわがままな生き物です。自分が話したいことを話したいし、聞きたいことを聞きたい、それが本音です。

好かれる人はズバリ、

「相手が話したいこと」

「相手が聞きたいこと」

をキャッチする達人です。そういう人は日常のちょっとした一言が違います。例えば、部下のモチベーションを下げるダメな上司はこう聞きます。

「今月、目標が厳しそうだな。何で?」

こう聞かれたら部下は、つめられている感じがして、「えっと、それは……」と、非常に話しづらくなります。

一方、部下の頭の中を想像できる上司はこう聞きます。

「今月、目標が厳しそうだね。取引先に何かあった?」

「実は……」と、部下は相談しやすくなります。

これは「オープンクエスチョン(幅の広い質問)」と「クローズドクエスチョン(具体的な質問)」の違いです。言いにくいことに対して「何で?」という回答幅の広い質問をされると、答えにくいのです。

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