海を渡るiPhone、知られざる中古市場の実態

販売店が買い取る大量のスマホはどこへ?

スマートフォンで断トツの人気を誇る「iPhone」。新機種の発売時には買い求める人で行列ができる

「他社のスマートフォンを下取ります」──。

携帯電話の販売店で端末を買い取るサービスは今や当たり前。中でも、日本で断トツの人気を誇る米アップル「iPhone」の新機種が発売される秋には、他社からの乗り換えを促す顧客争奪で端末の買い取り合戦が過熱する。

端末を高く買い取ってもらい、安値で新機種が手に入るという下取りサービスは、ユーザーのメリットも大。しかし、新機種が出るたびにスマホが下取りされる一方、国内で中古品が活用されている印象は薄い。回収された大量の端末はどこへ行くのか。

これについて、携帯各社の口は重い。「補償サービス用に再利用したり、部品だけ利用するケースもある。動かない端末などは処分する」(NTTドコモ)、「営業戦略上、答えられない」(KDDI)という具合だ。

事業者限定のオークション市場

新規種の発売時には長蛇の列(写真は「iPhone6」が発売された2014年9月時)(撮影:尾形文繁)

だが、携帯大手各社の端末を扱う販売店の社長は、「中古品を国内で流通させると、自分たちの新機種販売に影響が出る。海外ルートに流しているようだ」と打ち明ける。複数の中古業者によれば、下取りされた端末の流通経路は各社でさまざま。ドコモの場合、「商社などのネットワークを通じて、海外の業者に端末を販売している」(中古業者)といわれる。

KDDIの中古端末は、国内にオークションを活用した流通経路があることがわかった。関係者によれば売買の仕組みはこうだ。オークションは週に1回開催されており、売り出される端末に対して、参加者はオンライン上で金額を入力して入札する。互いにどんな業者が参加しているのかを知ることはない。

このルートは限られた事業者が対象のようだ。都内で携帯販売店を運営する社長に話すと、「そんな調達ルートがあるのか?」と身を乗り出して聞き返し、「われわれも参加させてほしい」と悔しげだった。同社は中古販売も視野に入れているからだ。

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