就活生の親は「口を出さずにカネを出せ」 最も重要なことは就活資金を出すこと

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有料で就活の指導をする就活塾もありますが、就活塾には入会しない方が無難です。中には良心的な就活塾もありますが、問題のある就活塾が少なくありません。国民生活センターには就活商法の被害相談が毎年100件以上も寄せられています。2014年度の平均被害金額は32万円にも達します。就活塾は合同企業説明会や大学の近くで勧誘をしていますので、お子さんに注意するように伝えてください。

Q4:親が口出しするのはよくないと聞きますが、子どものことは心配です。子供のためにできることはありますか。

親世代とは就活の環境があまりにも違います。親世代の就活経験を基にアドバイスするのはあまり意味がありません。就活に関するアドバイスは大学のキャリアセンターに任せたほうが賢明です。ただし、社会人としてマナーや礼儀作法などについて聞いてきたならば、それに答えてあげるのは問題ありません。

親がやるべき最も重要なことは就活資金を出してあげることです。人材サービスのディスコの調査によりますと、2015年3月卒の学生の就活費用の平均金額は15万1326円でした。

交通費、時間を潰すために入った喫茶店の代金、就活用の書籍・資料代、写真撮影代などに加えて服装関連におカネがかかります。親世代が就活をした頃は、就活期間が短かったので、夏物スーツ1着で済みましたが、最近は就活期間が長いのでスーツは2着必要です(冬物1着、夏物1着)。そのほか、コートも買わなくてはなりません。

就活費用の全国平均は15万1326円

一方、地方の学生はこんな金額では済みません。企業の本社は首都圏と近畿圏に集中しているので、地方の学生は、説明会や選考試験に参加するために交通費と宿泊費を負担する必要があります。

就活費用を地域別に見ると、平均額が最も高いのが「九州・沖縄」で20万3595 円。第2位の「中国・四国」が18万2194円、第3位の「北海道」が17万3721円となっています。経費を節約するために地方学生は夜行バスやフェリーで東京や大阪へ行きますが、無理をしすぎると本番の面接や筆記試験で実力を発揮できません。

就活期間中はバイトも十分にできないので、親が就活費用を負担してあげる必要があります。ただ、子どもに全額あげることはないのではないでしょうか。貸すのでも構いませんし、半額あげて半額貸すのでもいいと思います。

田宮 寛之 経済ジャーナリスト、東洋経済新報社記者・編集委員

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たみや ひろゆき / Hiroyuki Tamiya

明治大学講師(学部間共通総合講座)、拓殖大学客員教授(商学部・政経学部)。東京都出身。明治大学経営学部卒業後、日経ラジオ社、米国ウィスコンシン州ワパン高校教員を経て1993年東洋経済新報社に入社。企業情報部や金融証券部、名古屋支社で記者として活動した後、『週刊東洋経済』編集部デスクに。2007年、株式雑誌『オール投資』編集長就任。2009年就職・採用・人事情報を配信する「東洋経済HRオンライン」を立ち上げ編集長となる。取材してきた業界は自動車、生保、損保、証券、食品、住宅、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、外食、化学など。2014年「就職四季報プラスワン」編集長を兼務。2016年から現職

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