生き残るのは、"いざ"というとき保身に走る男 ピンチのときに出る「本性」

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なにがなんでも、周囲を切り捨ててでも、自分の立場はしゃにむに守り抜く。その厚顔無恥な姿は、多くのチームメンバーを幻滅させます

しかし逆に言えば、タフにしぶとくその場を切り抜けて巻き返しを図るガッツ、一時的に評判を落としてでも目的達成のためには泥もかぶる覚悟こそが、男のセールスポイント

生き馬の目を抜く仕事の世界では、たとえ満身創痍となっても、命を取られなければいいのです。

「自己犠牲」をしてしまう女

一方、女性は、こうしたしぶとさに欠けるところがあるかもしれません。

ルールにのっとりクリーンに仕事をしようとする女性は、いざというときには責任を取って潔く退き、周りに迷惑がかからないようにする。上司の期待にこたえ、部下を守ろうとするがあまり、トラブルを自分だけで背負い込んでしまいがちです。

確かにそこには美学がありますし、そのおかげで多くの人が救われますが、同時に、それまで積み上げてきたものが失われてしまう危険性も。また「私が悪者になればいいんでしょう……」と、悲劇のヒロインを気取り、自己犠牲にはまってしまうことにもなりかねません。

ときには、責任ある立場だからこそ、岩にしがみついてでも会社を辞めない図太さが求められるでしょう。

窮地に立たされた時に露呈する、その人の本性。プライドと自分の立場を守ろうとするタイプか、はたまた、平和と周囲の安全を守ろうとするタイプか。一緒に働くメンバーや上司を、そういう視点でチェックしてみるのも面白いでしょう。
 

五百田 達成 作家、心理カウンセラー

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いおた たつなり / Tatsunari Iota

米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー、株式会社 五百田達成事務所代表。35万部を突破した察しない男 説明しない女シリーズ、『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て独立。「コミュニケーション心理」「職場の人間関係」を主なテーマに執筆や講演を行う。

 

 

 

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