大塚家具の対立、見逃された「3つの視点」

決算書で読み解く父娘それぞれの経営哲学

決算書から見えてくる、大塚家具の岐路とは?

大塚家具の決算書は「下」から読め!

筆者は長年にわたって、決算書の読み方に関するセミナーの講師を務めてきました。受講者の大半は、経営者であったり、普通のサラリーマンであったりするのですが、セミナーを受講する前、彼らは一様に、「決算書を読むのは難しいもの」という先入観を持っていました。

筆者はこれらの人々に対して、決算書がいかにやさしい書類であるかを伝えてきました。その際にお伝えしたことは、決算書は上から読まずに、まず下の項目から読む、ということです。

普通、決算書を手にした人は、これをいちばん上の項目から順番に読もうとします。大抵の場合、書類というのは、いちばん上から読むものなので無理もありません。

しかし、決算書は、上から見ていく書類ではないのです。

たとえば、損益計算書を見るとき、上のほうに記載してある項目をすっ飛ばして、下のほうに記載されている「当期純利益」を真っ先に見るべきなのです(このことは拙著『決算書は「下」から読む、が正解!』(SB新書)でも詳しく触れましたので、併せて参考にしていただければ、より理解が深まるかと思います)。

この連載では、決算書はまず「下」から見るということをお伝えしたいのですが、その際に、今、話題となっている実際の企業の決算書を例に取り上げながら、説明していきたいと思います。

当期純利益から見える「兆候」

家具の大手販売店として有名な大塚家具での内紛劇が、連日のように報道されています。大塚家具のこの一連の紛争は、一族の間の醜い親子げんかなのでしょうか。それとも、多数の日本企業の悩みを象徴する事件なのでしょうか。

筆者ははっきり後者だと考えます。以下、大塚家具の決算書を下から見ながら、このことを詳しく説明します。

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