逆転の発想、普通のクルマを自動運転化する技術 BMWも導入、レベル5コントロールタワーとは

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レベル5コントロールタワー事業を国内で担当する(左から)マクニカの竹内崇道氏、ソウルロボティクスのHamed Bazaz氏、Eunki Hong氏(筆者撮影)

特別な装置がない「普通のクルマ」を自動運転化することで、完成車の倉庫など限定エリア内で車両を自動搬送するという新システム「レベル5コントロールタワー(Level 5 Control Tower)」が日本に上陸した。

韓国のスタートアップ企業「ソウルロボティクス」が開発した認知プラットフォーム「SENSR(センサー)」を活用するこのシステムは、生産されたばかりの完成車を保管倉庫などへ自動搬送するためのものだ。搬送できるクルマは、近年、コネクティッドサービスなどで採用例が増えてきた車載通信機など、現在では一般的になっている装備さえあれば、自動運転向けの特別な装置がなくても対応する。

レベル5コントロールタワーとは

レベル5コントロールタワー作動
マクニカのレベル5コントロールタワーのパンフレットより、自動運転化の作動システムなどをまとめた資料を抜粋(写真:マクニカ)

このレベル5コントロールタワーというシステムは、倉庫内などに設置したLiDAR(ライダー)または3Dセンサーが検知した障害物や他車両、歩行者などの情報をもとに、リアルタイムに安全な走行ルートを計算し、無人で効率的な車両搬送を可能としている。すでにドイツのBMWが導入した実績を持ち、日本では電子部品関連の専門商社「マクニカ」がパートナーとなり、センサー類のコンサルティングなどを担当、国内の自動車OEM(製造メーカー)などへの提案を開始している。

現在、人が行っている完成車の運搬業務を自動化することで、人件費削減や人手不足の解消などのメリットがあるというのが当システム。また、将来的には、OEMだけでなく、物流やレンタカー事業、空港やショッピングモールなどでの活用も期待できるという。

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