ガンホー社長が語る、パズドラ"長寿"のコツ 国内3400万ダウンロード突破、次の一手は?

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©GungHo Online Entertainment, Inc. ©Nintendo

やってみたいという熱い思いが最初にあったので、あくまでも(世界での販売は)後追いだが、パズドラという遊びの文化が、世界中に広がればいいなと思っている。鬼ごっこという遊び方のように、パズルアクションの遊びを広げたい。それをスーパーマリオの世界で実現した。

だからこそゲームのチューニングとブラッシュアップは、真剣にやった。基本的な遊びはパズドラを念頭に置いているが、やはりスーパーマリオブラザーズらしさをどう出していくか。

静止画面を見ると、パズドラの遊びがちょっとマリオになったと思われるかもしれない。でも、遊んだ手触り感は、おそらくスーパーマリオを遊んでいる感覚でパズドラを遊んでいるという、非常に不思議な感覚になってくる。

手伝うことが当たり前

――パズドラのヒット後、社内の開発体制は変わりましたか?

基本的には変わらない。うちは開発本部があって僕が本部長として統括し、それ以外に本部長が5人いる。おのおのが得意なところを持っていて、交渉上手とか、調整上手だとか。だから社内では所司代とか老中、若年寄がいて、「お前、若年寄的な役割なんだから」みたいな感じで。その下は、部も課もない。

本当に魂を行き渡らせるには連帯感が必要で、縦横無尽にプロジェクトごとに人が移動できるようにしている。仮に今、何かやばい状態でプロジェクトが炎上しそうになると、ほかの仕事の手を止めて手伝いに入る。

だから、手伝うことが当たり前になっていて、「パズドラで大きなトラブルがありました」って言った時も、仕事の手を止めさせて一旦全員集め、修正方法をレクチャーして一気にみんなで修正したこともある。

ガンホーには部も課も存在しない。”異動”の方法も独特だ

――縦割りでないことで柔軟性が出る。

部や課を作ると、結局は異動が必要になってくる。われわれの場合、危機に陥りそうなプロジェクトの担当者が、「森下さん、ちょっと人欲しい。足りないんですよね」と言ってくる。「どういう感じ?」と状況を聞いて、当てはまりそうな人材を頭の中でめぐらせて、「あいつがいいかな」と思ったら、「じゃあ、ちょっと行って話してみる」となる。それでポンっと異動。

コミュニケーションは言葉で

異動と言っても同じ本部内だから、席が移動するだけ。ただしプロジェクトの状況や仕掛りを分かっていないと、異動はさせられない。でも今、彼がいなくても大丈夫だと思うから動かそうとか、そういうことをいつもやっている。

ゲームを量産するという考え方よりも、高いクオリティを守っていくことが重要だと考えている。いわゆる工場生産のような量産体制を敷かないできちんとやる。やっぱりみんなが目が行き届くようにしなくちゃいけない。それからコミュニケーションは言葉でやれと言っている。

――メールは?

僕がメールなんかしないですもん。ほぼ1日打たない。1週間のうち、たぶんメールを1通するかしないか。社内なら行って話すか、それとも電話です。

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