春節消費は序の口?沸騰する中国人猛烈買い 閑散期の小売店には干天の慈雨

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ラオックスの売れ筋は日用品や化粧品 (撮影:梅谷 秀司)

2月23日午後3時。東京・銀座中央通りは紙袋を両手に持った人たちであふれ返る。約15分ごとにやってくる大型バスからはさらに多くの人が降りてくる。彼らが目指すのは、家電量販大手ラオックスの銀座本店だ。

中国の旧正月「春節」休暇(今年は2月18~24日)商戦が過熱している。中国の3大連休の一つで日本を訪れる人も多く、ラオックスでは今回、2014年に比べて来客数が2~3倍に膨らんだ。

高級ウイスキー取り合いに

ビザの発給要件緩和や円安を背景に、14年の訪日中国人数は前年比8割増の約241万人に拡大。購買力もすさまじく、14年10~12月の平均消費額は14万円弱と、外国人平均(6万円弱)を大幅に上回る(観光庁調べ)。2月は閑散期なだけに、新たな商戦期としての期待も大きい。

ラオックスでは店頭に中国で縁起がいいとされる「8」並びの福袋を陳列。3000円台から、高級腕時計や真珠のネックレスが入った888万8888円のものまで、総額10億円、2万点を用意した。

09年に中国・蘇寧電器(現蘇寧雲商)と資本提携し、総合免税店へ方向転換してから中国人客が急増。今では全体の7割を占めるまでになった。

同じく家電量販のビックカメラにも中国人客が詰めかけた。売れ筋は日本製のカメラや炊飯器、過熱水蒸気レンジ。10万円近くする炊飯器などを一人で3~4台購入する人もいたという。約80万円の高級カメラも数台売れた。

高級ウイスキーの人気も高く、「定価約50万円のウイスキーを『2本買うからまけてくれ』というお客さんの後ろから『2本とも定価で買うから売ってくれ』というお客さんが現れた店もあった」(堀越雄・広告宣伝部長)。

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