NISAでお金を運用する際に超重要な「4つの原則」 「NISAの抜本的改革」はどのように行うべきか?

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(1) 運用益非課税のメリットを生かすために、NISAには期待リターンの高い資産を割り当てるべきだ。期待リターンが低い債券が入った「バランスファンド」はダメ。
(2) NISAでの保有資産を売却するとその分の非課税運用枠が使えなくなるので、事情の変化で売りたくなるようなものはNISAでの投資には不適切だ。個別の株式やテーマ型投信などは不向きなのだ。NISAで使える以上の運用資金を持っていて、個別株やテーマ型投信を買いたくなったら(とくにテーマ型投信は買わなくてもいいのだが)NISAの外で持つほうが適切な場合が多いはずだ。
(3) 大きな分配金が出る商品は長期投資における複利効果を減ずるのでダメ。多分配型の投信は不適切だ。
(4) もちろん手数料が高い商品はダメ。運用管理費用が0.3%を超えるようなものはすべてダメ。

上記の条件を満たしたうえで、運用益非課税のメリットを最大化するように制度を使うことで最適な運用が達成される。

商品を1個に絞るなら、答えは意外に簡単

今回金融庁が要望した「新しいNISA」が実現した場合でも、そうでない場合でも、商品を1個に絞るなら全世界の株式に分散投資するインデックスファンドで手数料の安いものがいい(詳しい理由を知りたい向きは、山崎元、水瀬ケンイチ著『全面改定第3版 ほったらかし投資術』(朝日新書)を参照されたい)。

複数の商品を組み合わせると、さらに良いポートフォリオを作れる可能性はあるが(煩雑なので別の所で論じる)、できても差は小さいので、「全世界株式(日本株を含むオールカントリー)」のインデックスファンドをお勧めしておく。「日本株のみ」「アメリカ株のみ」といった投資は少なくとも「最適」ではない。

繰り返しになるが、「新しい資本主義のNISA」の詳細は、税の世界の住人との交渉を経ないと決まらない。運用方法に迷う必要はないが、制度が良いものに決着することを願って、今後の推移を見守ろう(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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