特産品で地方創生ができるという「幻想」

自治体がからむプロジェクトは失敗だらけ

富士川の河口で行われている、天日干し桜えびの回収作業。日本の「特産品」には素晴らしい商品がたくさんあり、「にわか仕立て」では成功しない(写真:アフロ)

このコラムでは、「地方を活性化する際のヒント」になるようなトピックをとりあげ、読者の皆さんとともに考えていくことを、一つの基本スタイルにしています。

今回、初めてこの連載をお読みになる方は、例えば「なぜ地方は補助金をもらっても衰退するのか」をお読みいただくと、地方を活性するためのポイントが、必ずしもおカネではないことがわかると思います。

予算型の「特産品開発」の問題点は?

さて、今回のコラムでは、国や自治体などが支援を行っている「特産品」の問題点について考えてみたいと思います。

ある地域が「自分の地方を活性化したい」という場合、「特産品」の開発は、よく「切り札」のように言われます。「わがまちの名産をつくろう!」 という取り組みにも、さまざまな予算支援が行われています。

例えば「六次産業化」(農業や水産業などの一次産業が、加工(二次産業)や、流通・販売など(三次産業)にまで乗り出すこと)、「農商工連携」、最近では「ふるさと名物」なんて言葉も出てきており、実にさまざまな省庁や自治体が、特産品開発支援をしています。

では、なぜ特産品開発を行うのでしょうか。それは、地元の原材料を加工した特産品を作って、販売まで手掛けることができれば、原材料のまま販売するよりも格段に儲かる、という論理です。

例えば、ゆずをそのまま出荷するよりも、ゆずを絞ってポン酢に加工すれば、価格もあがり利益もとれます。もちろん、この論理自体は間違ってはいません。

しかし、特産品を作れば売れるのかと言えば、そう簡単にはいかないのです。

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