「IT系インド人最強説」の気になるその後 あの海外アウトソースブームはどうなった?

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「インドのITスタッフの実際のスキルは、送られてきた履歴書と懸け離れていて、プログラムを壊しても知らんぷり。それを直すのはこっちで、わからないことがあったらそのまま放っておいて進捗をごまかす」

OH……。

それは御社の人事がまずいんじゃ?

そう思いましたが、私はぐっと言葉を飲み込みます。

ついに来た!日本人のSEへのラブコール

ポールさんは続けます。

「ある役員が『インドに部署を移すことでコストカットができる』と言って、みんなすばらしいとそれに乗っかって部署を移したけど、実際はそううまくは動いていない。逆に時間がかかるし、不効率だとわかった頃には、

提案した役員は、巨額のボーナスをもらって辞めている。

火の粉をかぶるのはいつも下っ端だよ」

とポールさんはため息をつきます。しかし、その後に彼は言いました。

「でも、インド人スタッフにはいいところもある。とっても我慢強いんだ

もしかしたら、まだアウトソース後の適切な人材育成が進んでいないのかもしれません。インド人の陽気さと我慢強さ、ポテンシャルの高さから、能率と効率が高まることをポールさんは期待しています。

しかし、日本企業が経費削減を目的にしてインドにアウトソースを行うと、国民性やビジネス慣習の違いから、几帳面な日本人責任者が全員、

胃潰瘍で入院してしまうかもしれません。

ちなみに、私がポールさんに、「日本ではブラック企業というものがあり、そこで働く日本人のSEは薄給で残業代もなくても、文句も言わず働き続けるよ」と教えると、

「日本のSEはどこで手に入るんだ」

とポールさんは目を鋭くさせていました。英語さえ克服できれば、日本人SEは無敵なのかもしれません。

といったところで、今日はこのへんで失礼いたします☆

ずんずん キャリア・人間関係コーチ、コラムニスト

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ずんずん / zunzun

元外資系OL。大学卒業後、埼玉県にある日系事業会社に就職。激務の果てに「死ぬ前に丸の内OLになりたい」と転職活動を開始し、外資系投資銀行に採用される。さらにシンガポールの世界的IT系企業で働いたのち、帰国。著書にコミックエッセイ『外資系はつらいよ OLずんずんが見た資本主義帝国♪の全貌』『外資系OLは見た!世界一タフな職場を生き抜く人たちの仕事の習慣』(ともにKADOKAWA)『エリートに負けない仕事術』(大和書房)がある。

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