名門大不参加で問われる大学ランキングの信憑性 アイビーリーグの一角、コロンビア大学抜ける

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コロンビア大学は、全米大学ランキングへの次回参加を見送ると発表した(写真:旅人/PIXTA)

コロンビア大学は『USニューズ&ワールド・レポート』の全米大学ランキングへの次回参加を見送ると6月30日夜に発表した。大きな影響力を持つ同ランキングの最新版でコロンビア大学は2位にランキングされているが、その根拠となるデータの正確性に同大数学科教授のマイケル・タデウスが疑義を呈していた。

ランキングに使用されるデータの提出期限は7月1日だった。大学の広報担当者は、タデウスの批判に応えるデータ分析にはさらなる時間を要すると語った。

発端は数学教授の辛辣なデータ批判

タデウスが自身のウェブサイトに21ページに及ぶ辛辣な批判を掲載したのは今年2月。ランキングの根拠となっているデータに疑問を呈するもので、これにより大学ランキングの価値や正確さをめぐる議論は一段と激しくなった。こうしたランキングは、多数の大学志望者やその親が参考にしている。

コロンビア大学のプロボスト(統括理事)メアリー・C・ボイスは「大学執行部はこの問題を真剣に受け止めており、データ収集・提出プロセスの検証に直ちに取りかかった」とする声明を発表。

大学は当初、データは正確との立場をとっていたが、「現在は提起された疑問に照らして私たちの手続きが正しかったかどうか詳細な検証を進めている」と述べた。「目下の検証作業では、完全であることが問われている。正しい答えを得るためには努力を惜しまない」とボイスは続けた。

大学の広報を担当するベン・チャンは、ランキングの復帰時期について臆測で発言することは避けた。

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