脱原発依存が焦点、電源構成の論議始まる

"新電源"としての省エネも重要に

川内原子力発電所の再稼働を巡っては、日本火山学会が原子力規制委員会の"合格"とした審査を批判。住民による再稼働差し止め請求も

現実的でバランスのとれた電源構成(エネルギーミックス)とはどうあるべきか――。経済産業省は中長期的に目指すべき電源構成を議論するため、有識者から成る総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(会長は坂根正弘・小松製作所相談役)の下に「長期エネルギー需給見通し小委員会」(委員長は坂根氏)を設置し、1月30日に第1回会合(分科会との合同会合)を開いた。

焦点は原子力発電のウェート付け

議論の焦点は、原子力発電のウェート付けである。民主党政権下の2010年6月に策定された第3次エネルギー基本計画(2010年6月策定)では、2030年に原子力と再生可能エネルギーを合わせて電源全体の約70%(うち原子力が約50%)とする目標が掲げられた。その後、11年3月に福島第一原発事故が発生。民主党政権は一転、30年代に原発ゼロを目指す方針へ舵を切った。

ところが、12年末に政権へ復帰した自民党政権はその方針を白紙撤回。14年4月に決定された第4次エネルギー基本計画では、原子力を「エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置付けた一方、原発依存度については「省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させる」との方針を打ち出している。ただ、脱原発依存をどこまで進めるかを含め、新たな電源構成の目標については、原発再稼働の行方が不透明なことを理由に議論を先送りしていた。今回スタートした小委において遅ればせながら、2030年に向けた電源のベストミックスが本格的に議論されることになる。

また、議論の参考として各電源の発電コストを試算するため、小委の下に「発電コスト検証ワーキンググループ」が設置された。福島事故後に安全対策費用が膨れ上がった原子力をはじめ、各電源の経済性が最近データを基に改めて検証される方向だ。

今回の小委第1回会合では、まず経産省の事務局から日本のエネルギー情勢に関する説明があり、日本のエネルギー自給率の低さ、化石燃料への依存度増大、原発停止に伴う電気料金の高騰、13年度の温室効果ガスの排出量が過去最大になったことなどが強調された。また、脱原発方針のドイツで石炭火力が増えて二酸化炭素排出量が若干増えてきたことや、すでに原発ゼロのイタリアでは国際的に電気料金が高いことが指摘された。

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