アイスが3月値上げ、市場拡大に冷や水 メーカーはシニア層向けに高品質で勝負
真冬でも、なぜかこたつで温まりながら食べたくなるアイスクリーム。商品の入れ替えに合わせて3月から、大手各社がアイスの値上げに踏み切る。
背景にあるのは、原料価格の上昇だ。乳業メーカー各社は2014年も、同様にチーズやバターの値上げをせざるをえなかった。
アイスには、脱脂粉乳やクリームといった乳製品のほか、チョコレートや砂糖などさまざまな原料が使われる。
円安が原料価格を押し上げ
主原料の一つである海外産乳製品の輸出国は、酪農が盛んなオセアニアや米国に限られている。一方、中国を中心とした新興国の経済発展に伴って需要が高まり、取引価格は上昇傾向にあった。
だが昨年以降は一転、相場の下落が続いている。「在庫に余剰感が出た中国で需要が鈍ったことと、ロシアが欧米からの輸入を(制裁のために)停止したことで価格が大幅に下落した」(伊藤忠商事の山中健盟・乳製品課課長)。実際、脱脂粉乳の国際取引価格は、2014年1月に1トン当たり約4000ドル台半ばだったのが、今年1月には約2400ドルへ下落した(フォンテラのグローバル・デイリー・トレード)。
ただ昨今の円安が相場下落分を一部相殺してしまっている。さらに今後、在庫が一巡した中国の旺盛な需要が復活し、ロシアの禁輸も解除されれば、「相場はまた上がってくるはず」(山中課長)。
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