超重要!日本郵船と商船三井を分析する

世界経済の荒波に揺れる海運業の先行きは?

東京湾を航行するLNG船(写真:トシチャン/imasia)
海運業界は、2008年秋に起こったリーマンショックを境に、その後2012年くらいまで低迷を続けてきました。世界経済が停滞すると、資源や製品などの輸送需要が落ち込み、すぐに運賃が下落しますから、この業種は景気の波を敏感に反映するのです。
こうして長い間落ち込んでいた海運業は、世界景気の緩やかな回復に伴って、ようやく2013年あたりから回復に転じました。ところが、最近はいくつかの好条件と悪条件が入り交じり、再び伸び悩みつつあると感じます。
海運業の先行きは明るいのでしょうか。今回は、海運大手の日本郵船と商船三井の2014年9月期中間決算(2014年4〜9月)を分析します。

円安の追い風はあっても、海運業は低調

まずは日本郵船から見ていきましょう。損益計算書(10ページ参照)から業績を調べますと、売上高は前の期から8.3%増の1兆1790億円。この増加に伴って、売上原価が8.2%増の1兆0500億円。販管費は微増し、2.1%増の1011億円。本業の儲けである営業利益は39.7%増の278億円と、増収増益なりました。堅調に推移していると言えます。

好調の理由は3つあります。1つは、円安の好影響です。海運業は、輸送契約のほとんどがドル建てで行われるため、円安に振れると、収入の円換算額が増えるのです。

もちろん、その一方では燃料費もかかりますから、円安が進めば費用も嵩みます。しかし、その費用は収入に比べるとドル建ての比率が低いため、円安が進むほど、収益が押し上げられる傾向があるのです。ちなみに、対ドルで円安が1円進みますと、年間約17億円の増益要因になると言われています。

2つめは、2014年6月あたりから原油安が進んでいることです。当然のことながら、これは燃料費の抑制に繋がります。

3つめは、コスト削減が功を奏したということです。海運市況は供給過剰の状態が続いていますので、収益が確保しにくくなっています。そこで日本郵船は、配船の合理化や船隊整備などの船費や運航費の削減に努めてきたことが利益を押し上げました。

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