2015年の日本株の勝ち方を教えよう 「今年は日本株の独歩高」説は本当か

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もし、先述のように、受け渡しベースの初日の相場の神様のご託宣、「内需中心の大揉みあい相場」が2015年の姿だとすると、大発会で、まさに未(ひつじ)辛抱の年が始まる。

「何を言っているんだ、午(うま)尻下がりの昨年は、尻上がりになったではないか」と言うかも知れない。だが、例えは悪いが、「黒田バズーカ」と言う「興奮剤」を打たれた競争馬が能力以上に走っただけではないか。今年も「興奮剤」を用意しているとのことだが、禁止薬物と認定されないか、心配だ。

元旦のコラムでは、揉みあい相場の前提で、2015年の柱の1つが、割安株・出遅れ株の水準訂正・循環物色とした。

2015年は、建設・不動産・電力・機械株の個別物色

もし、予想以上の日本株高になったとしても、筆者の知りうる範囲では、外国人投資家は日本株を万遍なく買う気はさらさらない。

昨年の12月26日に動いた、建設、不動産、電力、機械中心の個別物色相場になるのではと、筆者の胸は期待でわくわくしている。

特に今年から日本の人口減少に加速度が加わり、高齢化による労働力不足が深刻になる。機械というものは、労働力に代行するものとしてこの世に生まれた。すでに、ファナックに代表されるFA(ファクトリオートメーション)は、日本の競争力の重要な要素だが、これからの自動化機械は日本存亡のカギを握る、次元の違う重要性を持っている。筆者は、2015年こそが、自動化機械大相場のスタートの年になると期待している。

2015年を勝ち越せる「柱」は、いくらでもあるということだ。意外に面白い1年になるのではないか。

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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