2020年東京五輪が箱根ランナーを変えた?

正月決戦の先にある“夢舞台”へのアプローチ

箱根とマラソンの両方で勝つことは可能なのか?(写真右が東洋大学の服部勇馬。出所:アフロスポーツ)

12月10日に箱根駅伝のチームエントリーが行われ、各大学16名(以内)の選手が登録された。エントリーされた選手たちは、「箱根仕様」ともいうべき、20kmに特化した練習&調整をして、正月を迎えることになる。しかし、中には箱根後のレースを見据えて、別の練習スタイルで本番に臨む選手がいる。連覇を目指す東洋大学の3年生エース・服部勇馬だ。

服部は箱根後に行われる2月の東京マラソン出場を表明。夏からマラソンに向けての練習に取り組んできた。近年の箱根駅伝をめぐる現状を考えると、これは「異常」とも言える。

レジェンド・瀬古の時代とは変わった

かつて陸上界のレジェンドであった瀬古利彦は、12月の福岡国際マラソンを制して、正月の箱根でも快走した。しかし、時代は移り変わり、「箱根駅伝」は学生ランナーの中で、最もプライオリティの高いものになった。たとえば、9月に行われる学生最高峰の大会である日本インカレには、10月の箱根予選会を控える大学の選手が出場を回避するのは珍しいことではない。

近年もマラソンに参戦している箱根ランナーはいるが、ごく少数だ。エース級では、当時3年生だった出岐雄大(青山学院大学)が2012年3月のびわ湖マラソンに出場。2時間10分02秒(学生歴代3位)で走り、注目を集めた。出岐は前々からマラソンの準備をしていたわけではなく、正月までは箱根に集中。花の2区で区間賞を獲得した勢いで、2月に30km走を4本こなして、マラソンでの好結果につなげている。

翌2013年のびわ湖には当時3年生の窪田忍(駒澤大学)が参戦した。箱根後に40km走を2回入れるなど急ピッチで仕上げての出場だった。そのせいか、30km付近までは快調も終盤にペースダウン。初マラソンは2時間15分48秒に終わっている。

実は出岐も窪田もそれ以降、マラソンには出場していない。出岐は体調が整わなかったのが原因だが、窪田の4年時は、「箱根に集中するため」というのがいちばんの理由だった。共に「学生のうちにマラソンを経験しておきたい」というのが主な狙いで、同じ大学3年生でマラソンに挑戦する服部の場合は、ふたりとは少し違う状況だ。

なぜ、21歳の服部勇馬はこのタイミングでマラソンに参戦するのか。それは2020年東京五輪が大きく関係している。

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