メルコ・クラウン、「横浜か大阪にカジノを」 カジノは再開発のエンジンになる

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クラウンタワーズ・メルボルンで働くディーラーは、地元の若者が中心。同施設は1万4000人の雇用を生んでおり、地元経済に貢献している
IR(統合リゾート)推進法案が国会を通過し、日本でもカジノが解禁されればぜひとも日本に進出したい――そのように考えているカジノのオペレーター(事業者)は多い。米国からはラスベガスの大手であるサンズ、MGMが名乗りを上げ、アジアからはメルコ・クラウン・エンターテインメント(MCE)などが名乗りを上げている。
中でも、熱心な会社のうちの1社がMCEだ。MCEは2004年にオーストラリアのクラウン・リゾート社とマカオのメルコが設立した合弁会社。目下、マカオのコタイ地区に建設した大型のカジノリゾートが大盛況だ。直近の売り上げ規模は、サンズ、ウィンに次ぐ3位だ。
2014年、MCEはフィリピンのマニラに統合リゾートをオープン。現在、本拠のマカオでは大規模な拡張工事が進んでいる。また単独でも、メルコがロシアのウラジオストク、クラウンがラスベガスにカジノを建設するなど、それぞれ世界展開を進めている。
日本では、そもそもIR推進法案自体が国会を通過するかどうかわからない状況だが、果たして日本進出について、どのように考えているのか。クラウン上級副社長でMCE取締役も兼務するトッド・ニスベット氏に今後の戦略を聞いた。

 

新規の投資案件が目白押し

――MCEはメルコとクラウンが33.6%ずつ出資する合弁会社。日本への進出はMCEが主体となっていますが、ラスベガスはクラウン、ウラジオストックはメルコが主体で進めます。そもそも、両社の棲み分けはどのようになっているのでしょうか。

トッド・ニスベット●ネバダ大学ラスベガス校でファイナンスを専攻。マーネル・コラオ・アソシエーツ(1986~2000年)、ウィン(2000~2007年)を経てクラウン・リゾート社に入社。戦略開発担当上級副社長として、全ての新規進出案件と新規事業を担当。メルコとの合弁会社であるメルコ・クラウン・エンターテインメントの取締役も兼務している。

地域ごとに棲み分けているわけではなく、単独でやることもあれば、合弁のMCEでやることもあります。

こちらの都合としてはなるべく共同でやりたいのですが、進出先のローカルパートナーの意向も重要です。(MCEの共同会長を務める)クラウン会長のジェームズ・パッカーとメルコ会長のローレンス・ホーが共同でやりたいと思ったとしても、ローカルパートナーがそうは思わない場合もあるので、こちらの事情だけでは決められません。

ただ両社のパートナーシップはマカオで始まりました。事業を進めるチームも香港におります。ですから合弁会社は、急成長を続けるアジアが主体になるのが自然ですし、日本事業をMCEがやるのも、極めて自然な流れだと思います。

ローレンスとジェームズのパートナーシップは非常にうまくいっているので、なるべく広い地域を共同でやりたいと思ってはいますが、やはりベースはアジアです。

――クラウンは本場のラスベガスに進出します。どのような計画を立てていますか。

クラウンにとって、目下、もっとも重要なプロジェクトのひとつです。私は、それに向けていま懸命に働いているところです。他社と同じことをやるのであれば、多くの施設が立ち並ぶ中に進出する意味はありません。クラウンだからこそできるラグジュアリーな空間を作り出そうと考えています。

休暇の過ごし方はさまざまで、いろいろな選択肢がある。膨大な選択肢の中から選んでもらうためには最高のものを提供しなければならない、というのがクラウンのポリシーです。現代人にとって、休暇はめったに取れるものではなく、貴重なもの。その貴重な休暇時間を、バックパッカーが泊まるようなホテルで過ごしたいとは思わないでしょう。回数が少ないからこそ、その旅行を豪華にしたい、と考えるものです。帰国したときに友達に楽しかったよ、と報告できるような場所に行きたいのではないでしょうか。クラウンが目指すのは、まさにそうしたリゾートです。

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