チョコの「ISIS」が受けた、"とばっちり" <動画>Libeertへの社名変更を決断
ベルギーのチョコレートメーカーISISは社名をLibeertに変更する。「イランとシリアのイスラム国」の略称と間違われて大きな被害をこうむったからだ。
このベルギーの菓子メーカーにとっては迷惑千万な話だ。
社名がISISだったばかりに、せっかくのチョコも別の味に変わってしまった。
1923年に創立された同社の最初の社名はイタリアとスイスを組み合わせた「イタロスイス」だった。その後にイタリアもスイスも連想させない社名に変えたのだが、そのISISがなんともひどい連想につながってしまった。
社主のIgnace LibeertはISISの社名とその変更による損失が数百万ユーロに上ると見積もっている。「クリスマスに向けた注文は通常9月に始まるのですが、昨年はそれがぴたりと止まりました。アメリカからもイギリスからも来なくなったのです。はじめは何が起こったのか分からなかったのですが、すぐに、ISISという社名に差しさわりがあると気が付きました。遠い国の話ではあるけれどお客さんたちはその名の響きを非常に気にしているので、社名変更を決めざるを得なかったのです」。
ご存じのとおりISISはイラクとシリアのイスラム国の頭文字でもある。シリア内戦の中で誕生しイラク国内に勢力を伸ばしているイスラム過激派グループのことだ。
ブランド変更には時間もお金も必要
ブランドエクイティ社のRobert Haighは、同じISISの名を持つ他の中小の会社は社名変更を同社より、ずっとためらうだろう、と語った。「社名を新しくする場合には、ビジュアルアイデンティティ (ブランドの視覚的な統一感) を作り出すことが非常に大切になりますが、これは細部にまで行き届いた配慮が必要で、費用も掛かります。外部の専門業者の助言も必要になります。そして、会社の全体にわたって極めてシステマティックに展開しなければなりません。会社の規模にもよりますが、何億円もの費用が掛かるでしょう」。
この会社は毎年5万トンのチョコレートを生産し、年間の売り上げは約45億円に上る。会社は「Libeert」への社名変更を決めた。同社を所有するファミリーの名前である。チョコレートを食べて、一時でも世界情勢への憂いを忘れ楽しい時を過ごしてくれるといいのだが・・・。
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