「妖怪ウォッチ」で潤い、バンダイナムコ快走 もう「たまごっち」の二の舞にはならない

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「妖怪ウォッチ」の関連玩具で今期は上方修正。来期以降の成長が問われる

「1月には新たなメイン商品として『妖怪pad』が出てくるので、少なくとも来上期までは維持していきたい」。

11月6日、バンダイナムコホールディングス(バンナムHD)は、2014年中間期(4~9月期)決算を発表した。決算説明会で質問が集中したのは、やはり人気キャラクターの「妖怪ウォッチ」だ。今の勢いはどこまで続くのかという質問に対し、バンダイの上野和典社長は冒頭の説明を行った。

妖怪ウォッチはゲームソフト会社であるレベルファイブのコンテンツだが、玩具をバンダイが手掛けている。今年に入り、一気にブレイクした妖怪ウォッチは、12月末までに1枚90~100円の「妖怪メダル」を1億5000万枚、1個3200円の「妖怪ウォッチ」を250万個、それぞれ販売を見込む。これによってバンナムHDは、妖怪ウォッチ・キャラクターで、今期売上高400億円の計画を掲げる。

これは同社の主力キャラクターである、「ガンダム」の今期売上高700億円計画に次ぐ規模であり、「仮面ライダー」の同256億円計画、「スーパー戦隊」の同241億円などを軽く上回る。新規キャラクターが初年度でここまで伸びるのは、「『たまごっち』以来かもしれない」(バンナムHDの石川祝男社長)。

今期は上方修正、さらに上回ることも

人気キャラクターの勢いもあり、バンナムHDは通期業績見通しを上方修正した。売上高は前期比2.4%増の5200億円、営業利益は同11.9%増の500億円となる見通しだ。ただし、これは年末までの受注状況を踏まえた計画であり、年明けの商戦次第では、一段と上回ることも期待できるかもしれない。

来年1月には妖怪padの発売が控えている。これは妖怪メダルをスキャンして遊ぶ仕組みになっており、妖怪ウォッチに次ぐメイン商品との位置付けだ。当初は今年12月の発売予定だったが、反響が大きく、「生産体制を整えるために1月発売へとずれ込んだ」(バンダイの上野社長)。

さらには海外展開も始まっている。今月は韓国で妖怪ウォッチのプラモデルを発売し、12月には妖怪ウォッチや妖怪メダルも投入する予定だ。バンナムHDはアジア展開が任されており、韓国の次は順次、香港や台湾も考えているという。

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