卒業生がどれだけ就職しているか、そのうち主要企業に何人が採用されたか――。「就職力」は大学を社会的に評価する一つの目安として語られる。
ブランド大学出身者は出世するのか
一方、就職から20~30年が経った後はどうだろうか。ブランド大学を卒業して、有名企業に入社した場合、やっぱり順調に出世しているケースが多いのか、意外とそうでもないのか。また、企業によっては出身大学が出世のしやすさを左右する、いわゆる学閥とは本当にあるのか――。
東洋経済オンラインはそんな問いへの答えを出すために、有名大学出身者が上場企業の役員(監査役、社外取締役含む)にどれぐらい就いているかの実態を小社刊『役員四季報2015年版』を基に集計した。
役員四季報では東証1部などに株式を公開する約3600社へのアンケートを実施しているが、そのうち、在籍役員の最終学歴をすべて回答したのが1510社(原則7月時点)。これを対象に、上場企業に役員を多く輩出しているトップ30大学(大学院含む)をピックアップしてランキングした。
あくまで上場企業の半分程度がサンプルとなるものの、全体的な傾向をつかんでいただけるはずだ。1位は慶応義塾大学。そのほかの上位を見ると、2位早稲田大学、3位東京大学、4位京都大学などと続く。
慶応、早大は日本の私立大学として最高峰であり、東大、京大は国立として最も難易度が高い。これらのいわゆるブランド大学出身者は、やはり主要な企業で出世しているケースが多い。
では特定のブランド大学出身者が、役員となっている会社はどこなのか。第1弾は慶応卒生の比率が高い企業をランキングした。調査対象とした上場企業1510社のうち、役員定数に対して、慶応卒者が2割以上を占める約200社(169位まで)についてランキングした。