「慶応卒が出世している」200社 役員の人数最多は東芝、比率ではトーセイ

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慶応の特徴は、創業家の血筋を引く2世、3世が通う点にもある。とくに戦前において、地方都市に設置された帝国大学は医学部、工学部など、いわゆる理系中心の大学が多く、創業者が後継者に商業のことを学ばせたい場合、私学であれば東京にある慶応大学、官学であれば東京商科大学(一橋大学)をはじめとする各地の商科大学を目指すのが定番だった時代が長く続いた。

現在でも、その輝かしいブランドは変わらない。トヨタ自動車の豊田章男社長、サントリーホールディングスの佐治信忠会長、資生堂の福原義春名誉会長、キッコーマンの茂木友三郎・名誉会長、森トラストの森章社長、興和の三輪芳弘社長、名古屋銀行の加藤千麿会長などが慶応で学んだ"創業家御曹子"である。

慶応OBの集まりは「三田会」と呼ばれているが、財界だけでなく、政治の世界、学問の世界、さらには芸術・文化、テレビ・新聞などメディアの世界まで幅広い分野に同窓会のネットワークがある。地域別のみならず勤務別三田会というものもあり、慶応連合三田会のホームページによると、日立かなめ会 2000名、東芝三田会1500名、東京海上日動三田会1150名、富士通三田会1038名などがマンモス三田会だ。

卒業生が数人集まると、学生時代の昔話をするのではなく、次回の三田会の日程、活躍している同窓生の話など、現在形で話をすることが多いのも慶応の特徴。ジャンルを問わず、卒業生同士が助け合う様は、他大学の卒業生からは理解しがたい雰囲気もある。

三越伊勢丹HDは慶応と東大が同数

第1位のトーセイは不動産の流動化や開発を行う東証一部上場企業。山口誠一郎社長は1983年慶応義塾大学法学部卒業後、三井不動産販売に入社。86年東誠不動産(現トーセイ)に入社し、1990年に取締役、1994年に代表取締役に就任して、現在に至っている。社長だけでなく9名の取締役のうち7名が慶応卒であり、"ダントツ"で慶応カラーの強い会社といえる。

8位の三越伊勢丹ホールディングスは、慶応卒が6名いるので最大勢力かと思いきや、東大卒も6名で同数。ちなみに残る1名は立教卒である。

慶応卒の役員がもっとも多い企業はどこかといえば、74位の東芝である。53名のうち15名を慶応卒が占める。そのほかの大学としては、東大6名、早大6名、東北大4名が続く(院卒含む)。現在、日本郵政社長を務める西室泰三・東芝相談役は、慶應義塾評議員という要職にも就いている。

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