「クールジャパン」、本来は何をするべきか

カンヌ「MIPCOM2014」で聞いた生の声

フランス・カンヌで10月13~16日に行わた「MIPCOM2014」の会場

「クールジャパン」という言葉は、本来おしゃれな響きのある言葉である。しかし、今ではすっかり政治の匂いがする霞が関用語になってしまった。2010年、経済産業省製造産業局は「クール・ジャパン室」を設置。日本の文化・産業の戦略的な世界進出を目指す旗印としてこの言葉を使っているからだ。

経済産業省が主軸に置いているのが、ジャパン・ポップカルチャーの輸出だ。官民合わせて375億円を集めて2013年11月に「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」を発足。アニメ、コミックやコスプレといった面を強調し、クールジャパン戦略担当大臣がコスプレ姿で海外の公務をこなすなどの話題により、オタク文化とクールジャパンの結びつきの強さを印象付けてきた。

では、こうしたクールジャパン戦略が、実際の映像ビジネスにどのような影響を与えているのか。フランス・カンヌで10月13~16日に行われた映像コンテンツトレードショウ「MIPCOM 2014」にて、関係者から日本コンテンツの輸出状況について話を聞いた。大多数は、批判的な声だった。後編は、そうした声から浮かび上がる、日本の映像コンテンツビジネスの課題についてリポートする。

アニメの輸出ピークは90年代

MIPCOMには世界中から、映像コンテンツのバイヤーが集まる。日本のように自主製作番組中心の国は少数派で、広告予算が少ない時間帯は他国から調達してきた番組を放送枠に当てはめる。そのためのコンテンツをトレードショウで入手するわけだ。

日本アニメは安価に調達できる子ども向け番組として世界中に輸出された。ドラゴンボールやセーラームーン、キャプテン翼といったコンテンツがその中心だった。こうしたことは当時も話題になっていたが、日本アニメを子ども時代に見た外国人が、徐々に社会の中心へと入りはじめる年代になってくると、”日本特有の文化として世界で認知されているアニメ”を戦略的に使おうという機運が高まった。

ところが、日本民間放送連盟(民放連)の斎藤信吾ライツ・コンテンツ部長によると、90年代から市場全体が伸びているのに対して、日本からのアニメ輸出はほとんど増えていないという。

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