AKB48が、「非メディア頼み」でも強い理由

意外に地道だからこそレジリエントな仕組み

 

人々を熱狂させる仕組みの根底にあるものとは?(撮影:尾形文繁)
作家・思想家の東浩紀氏をして「現代アイドル論の決定版」と言わしめた注目の書。大好評発売中!
 日本経済の動向とアイドルブームに、驚きの関係があることをご存じだろうか? 1980年代アイドルから現代アイドルまでを丹念に振り返れば、この国の今、そして未来までもが見えてくる。アイドルを知ることはもうほとんど、デキるビジネスマンの、少なくとも残念なビジネスマンにならないための必須条件なのである。
 この連載は、「そんなことは信じられない」「バカバカしい」「アイドルに興味などない」と思うあなたにこそ伝えたいアイドルの基礎知識をつづる、あるいは、アイドルへの再入門のための連載である。

第1回目は、まず、どうしてビジネスマンがアイドルを学ぶべきなのかを、5つの理由から説明した。続く第2回では、AKB48のビジネスモデルに迫る!

 

さて、今回から現代アイドルの具体的解説を始めていくわけです。ビジネスマンのための、と銘打ったアイドル入門であれば、ビジネスマンの視点に刺さる“アイドルのすごさ”を説明するのが近道だと思います。

そこで、西暦2014年10月現在、「アイドル」の代名詞ともいえるAKB48グループから話を始めるのがわかりやすいでしょう。2005年末にデビューし、ゼロ年代後半のアイドルブームを牽引してきたAKB48グループの活動は、ある意味、現代アイドルビジネス的な工夫がてんこ盛りで、解説しがいのあるものです。

今回はその中でも、筆者から見たエッセンスだけを説明します。より詳しいところは、拙著『アイドル国富論』や、ほかにも多くのAKB48の解説書がありますので、そちらをご覧ください。

もちろん、この連載を始めるにあたり、秋元康氏をはじめとしたAKB48の運営サイドにその意図まで取材したわけではないので、あくまで筆者が解釈したかぎりの解説であることはお許しください(ほかのアイドルについても同じですが)。

AKB48グループの構造を俯瞰してみる

さて、しばしば単に「AKB」と呼ばれるこのAKB48グループの構造は、実は極めて複雑です。AKB48「グループ」と、あえて呼んでいるように、AKBはAKB48を中心にした複数のアイドルグループで構成される複合体だからです。

AKB48グループの基本単位は二つあって、まず、48人のメンバーで構成される各「48」があります。これは、都市名を名前に冠したAKB48(東京・秋葉原)、SKE48(名古屋・栄)、NMB48(大阪・なんば)、HKT48(福岡・博多)、そして、活動はこれらとしばしば分割されますが、海外組としてJKT48(インドネシア・ジャカルタ)、SNH48(中国・上海)があります。ほかには、TPE48(台湾・台北)も予定されていますが、2014年9月現在、まだ準備中です。さらにこのほかに、SDN48 (2012年3月解散)、乃木坂46などの関連グループがいます。

そして、その下にもう一つの基本単位として16人構成の「チーム」があります。チームは、例えばSKE48ならチームS、チームKⅡ、チームEというふうに「48」の名前のラテン文字を1文字冠しています(ここでチーム「K」ではなくてチーム「KⅡ」になっているのはAKB48にチームKがすでに存在するからで、AKB48グループではこうして各チーム名がAKB48グループ全体でユニークになるように配慮がされている)。

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