インドの新興財閥「アダニ」の成功方程式

一代で築き上げられたインフラ帝国

ゴータム・アダニ氏(2011年5月27日)(The New York Times/アフロ)

財閥はインドの経済成長を支えてきた要素のひとつだ。日本ではタタ・グループが有名だが、ほかにもリライアンス・グループやマヒンドラ・グループなど多数存在している。その中でも本稿では、近年めきめきと成長している新興財閥、アダニ・グループを紹介したい。

30年弱で急成長を遂げたアダニ・グループ

アダニ・グループは1988年に設立され、グジャラート州アーメダバードに本社を置く。創業当時は小さな貿易会社にすぎなかったが、現在の事業分野は発電、港湾運営、石炭やガスの採掘・販売、農産物取引、海運業、不動産――など多岐にわたる。2013年の売上高は93.89億ドルだった。

30年弱でここまで成長した理由は、ひとえに創業者であるゴータム・アダニ会長の才覚にあるといえそうだ。ゴータム・アダニ氏は現在52歳。大学の学位を持たずに裸一貫で成功した人物として、世界でも有数の実績を持っている。過去には米フォーブス誌による、インドで最もリッチな人トップ10にもランク入りしたことがある。

大学に行かなかったアダニ氏は、父親の繊維製品貿易ビジネスの一部を任される形で事業家としてのキャリアをスタート。続いてダイヤモンド貿易に着手するなど、次々と事業領域を広げていった。あるときアダニ氏は、同州カッチ地方にあるインド最大の塩田から塩を調達するという大口注文を抱えながらも、輸送がうまくいかず悪戦苦闘していた。そこであるアドバイスを受け、アダニ氏が踏み切ったのがなんと港湾の建設。これが本格的な事業成長に向けたジャンプ台になる。

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