「香港デモ封殺」から透ける、中国政府の焦り

情報操作は無理、格差是正なければ中国はもたない

香港の中心部を占拠する学生たち。「雨傘革命」に対して、中国政府はどう決着を図ろうとしているのか(ロイター/アフロ)

香港の学生デモを見ていて、一瞬25年前(1989年)6月の天安門事件を思い出した。この頃は私が手掛けるレアアースやレアメタルの取引が、実は多くの香港企業を経由して輸入されていたこともあり、いまよりも香港に頻繁に出張した。当時の当社の事務所が香港島の中心部の金融街セントラルにあったので、学生たちの座り込みを見ると、今回のただならぬ香港の様子が良くわかった。

「形だけの民主主義」に危機感、行動した香港の学生

今回の香港の学生デモは、梁振英・行政長官の辞任と真に民主的な行政長官選挙を求める学生組織を中心に開始された。参加者は一時、10万人を超えたという。

香港は1997年に英国の植民地から中国に返還された。その際、主権は中国に移されたが、中国政府は「50年間は現在の政治制度を変えない」と約束したはずだ。つまり、香港は中国の一部だが、特別行政区として「香港特別行政区基本法」が制定されて、それに基づいて高度な自治が保障されてきたと、われわれ日本人はそれなりに信じていた。

だが、残念ながら2017年度から導入予定の普通選挙制度も、中国全国人民代表大会・常務委員会の決定のもと、形だけのものになりそうがことが判明。これに香港の学生たちは、授業をボイコットしてまで、「完全な普通選挙実施」を求めたというわけだ。

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