オラクル、「クラウド活用」で何ができるのか オラクルオープンワールド2014現地リポート(2)

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店舗の革新では、各地のストアは、その土地に合わせて変えたいという。また、個人的な関係を維持したいという。これはモバイルアプリを通じて取り組んでいるようだ。ヘルスケアの分野でも力を入れる。「インフルエンザの注射を必ず提供するようにしている。それが出発点。小売りの店舗であるが、米国では65%の人が3マイル以内にウォールグリーンズがあるところに住んでいる」(ティムCIO)。その使命感もあるようだ。

予算は減っても、イノベーションは増加

こうした取り組みを進めるものの、ITの予算はむしろ減っているという。それでも「予算は減っても、イノベーションは増やしている」(ティムCEO)というのだ。そして、「サービスの強化をするし、グロバール展開もしたい」、と今後も価値提供を続けることに意欲を示した。最後に「顧客や患者の情報を守ることは大切」とセキュリティの大切さも語った。オラクルに対しては、「増え続ける機能を統合してもらい、クラウドで低コストで提供してもらいたい」と要望して締めくくった。

続いてGEのジェミー・ミラーCIOとの対話の模様がビデオで流された。「ソフトのデータアナリティクスに大きな投資をしているが、その際に重視するのは、シンプルで速いこと」とミラーCEOは語った。つまり、オープンスタンダードなものを使いたいという意向だ。時間軸も重視しており、クラウドの充実は非常に魅力的で、期待しているとした。

世界的な日用品・消費財大手のP&Gのフィリッポ・パッセリー二CIOとの対話も流された。「40億人の顧客が日常的に購入するため、サプライチェーンが重要になる」(パッセリー二CIO)。様々な時間の短縮には特に力を入れているようだ。もちろん、付加価値の維持も課題という。「我々が単なるコモディティになってはいけない、つねに競争力のある製品でなくてはいけない。そのためには事業部門とIT 部門が直結していないといけない」(同)というのだ。

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