オラクル、「クラウド活用」で何ができるのか オラクルオープンワールド2014現地リポート(2)

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最後に登壇したのは、インテルのキム・スティーブンソンCIO。マーケティング活動について言及した。「インテル入ってる(Intel in It)は最も強力なキャンペーンで成功したが、いまメディアにもっと力を入れようとしている」と話し、その中で選んだのが、マーケティングのオートメーション機能。「メッセージングがはっきりできたことで、見込み客にかかる費用が大幅に減る一方で、誘導の速度は75%も改善した」(スティーブンソンCIO)。効率的なマーケティング活動ができたという。

実際に顧客を獲得にはどうすればいいのか。アカウント別、テリトリー別に闇雲にアプローチするのではだめだという。それを実際にウェブサイトに来てもらった人のデータから予測モデルを提案、もっとも買う確率の高い順に電話するようにリソースを移した。すると、最初の四半期で5倍の生産性向上につながったという。そのいい実例ができたことで、みんなが変わることができたという。

クラウドのアプリケーションの活用による成功例だが、それも「巨大なシフトの最初の段階にすぎない」(スティーブンソンCIO)と今後の可能性を語った。

ハードCEOは、このキーノートの後、午後には記者陣とのQ&Aセッションにも臨み、クラウド分野での積極的なM&Aについても言及。最高の技術をもった企業しか買収しない。いずれも収益にプラスになるものばかりだと胸を張った。まだ2番手のオラクルだけに、SaaS分野のM&Aもまだまだ続きそうだ。

新製品の大量投入で各セッションとも充実

今回のオープンワールドでは珍しい野外でのセッションも試みた

今回のオープンワールドでは、ノース、サウス、ウエストの3つのモスコー二を使うだけでなく、隣接するマリオットホテルも主要会場となっている。キーノートに続いて10時15分から開催されて注目を集めたのが、このマリオットでのデータベースゼネラルセッションだ。新サービスを次々デモしてみせ、クエリ作業などを実演してその圧倒的なスピードを証明してみせた。

また、この日の昼のは初の試みとなる野外セッションが実現。封鎖したハワードストリートに設置した会場でエンジニアドシステムのゼネラルセッションを開催した。

エンジニアドシステムは、いまやオラクルデータベースと2枚看板になった感のあるデータ専用機のエクサデータなどの製品群。前日の夜の発表となったエクサリティクスのインメモリマシンや「ゼロ・データ・ロス・リカバリー・アプライアンス」を説明、アクセンティアなどのパートナー企業も登壇し、その強みが改めて表現されていた。

2日目を迎え、朝から世界中のエンジニアが会場に詰めかけており、サンフランシスコの街はあちこちでオラクルの企業カラーである赤に染まっていた。

山内 哲夫 東洋経済 記者

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やまうち てつお / Tetsuo Yamauchi

SI、クラウドサービスなどの業界を担当。

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